観光庁は2026年8月31日、宿泊旅行統計調査の2026年7月・第1次速報と2026年6月・第2次速報を公表しました。発表によると、7月の延べ宿泊者数は全体で5,467万人泊、客室稼働率は全体で60.8%です。
ただし、2026年1月分調査から層化基準が変更されています。前年同月比には見直しの影響が含まれている可能性があるため、増減率だけを以前と同じ条件の比較として読まない注意が必要です。この記事では、観光庁の発表本文に掲載された数値と、比較時の留意点を整理します。
2026年7月の延べ宿泊者数
第1次速報として公表された2026年7月の延べ宿泊者数は、次のとおりです。
- 全体:5,467万人泊(前年同月比3.5%減)
- 日本人延べ宿泊者数:4,110万人泊(前年同月比3.1%減)
- 外国人延べ宿泊者数:1,358万人泊(前年同月比4.6%減)
全体、日本人、外国人のいずれも、発表上は前年同月比で減少しています。ここでいう「延べ宿泊者数」は人数そのものではなく、宿泊した人を宿泊日数に応じて数える「人泊」で示された値です。
発表本文には全国集計が掲載されていますが、都道府県別、施設別、住宅宿泊事業の届出住宅だけを取り出した数値は記載されていません。そのため、この5,467万人泊を特定地域や個別施設の需要へそのまま当てはめることはできません。
2026年6月の第2次速報
同時に公表された2026年6月の第2次速報では、延べ宿泊者数は次のように示されています。
- 全体:4,582万人泊(前年同月比8.4%減)
- 日本人延べ宿泊者数:3,360万人泊(前年同月比6.3%減)
- 外国人延べ宿泊者数:1,222万人泊(前年同月比14.0%減)
6月の値は第2次速報、7月の値は第1次速報です。速報の段階が異なるため、引用や社内資料へ転記するときは、対象月だけでなく「第1次速報」「第2次速報」の区別も残す必要があります。
発表本文は6月と7月の数値を掲載していますが、両月の差について季節要因や地域別の理由を説明していません。月の違いだけから原因を推測せず、詳細を確認する場合は観光庁が同じ発表ページで案内している報道発表資料と統計ページを参照してください。
客室稼働率は7月60.8%、6月57.2%
客室稼働率は、2026年7月が全体で60.8%、2026年6月が全体で57.2%と発表されています。発表本文に掲載されているのは全体の数値です。施設タイプ別や地域別の稼働率は本文には記載されていません。
また、客室稼働率は調査対象施設の集計であり、個別の民泊施設に期待できる稼働率を示す値ではありません。自施設の収支計画や売上予測へ使う場合は、全国値を実績値の代わりに置かず、自施設の営業可能日、販売可能な客室、予約実績などと分けて扱う必要があります。
前年同月比には調査基準変更の影響があり得る
観光庁は、統計精度をさらに高めるため、2026年1月分調査から層化基準を「従業者数」から「客室数」へ変更したと説明しています。あわせて、前年同月比と前年同月差には、この見直しの影響が含まれている可能性があると注意を促しています。
したがって、7月の前年同月比3.5%減や6月の同8.4%減は、公表値として確認できますが、変化のすべてを宿泊需要だけで説明することはできません。過年度の数値と並べるときは、2026年1月分から層化基準が変わったことを注記し、同じ条件の連続データであるかのような見せ方を避ける必要があります。
民泊運営で数値を参照するときの確認点
今回の発表から確認できるのは、全国の延べ宿泊者数、日本人・外国人の内訳、全体の客室稼働率と前年同月比です。個別地域の需要、住宅宿泊事業の実績、宿泊単価、売上、予約経路別の構成は発表本文に記載されていません。
物件のある地域を検討する際は、全国集計だけで結論を出さず、自治体が公表する地域別資料や営業上の制約と分けて確認してください。地域の見方は民泊の立地の選び方、施設ごとの販売上限から考える方法は民泊の売上予測の立て方、確定値を使った試算は民泊の収支計画の立て方で解説しています。
第1次速報は後続の公表で更新される可能性があります。数値を利用する時点で、観光庁の発表ページと詳細結果に新しい公表がないか確認してください。
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