観光庁は2026年10月14日、令和8年度「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募における採択結果を公表しました。採択されたのは1件です。申請者名は和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会、所在地は石川県、事業名は「和倉温泉創造的復興プランの高度化と観光地域循環型事業創出のための支援体制実証事業」と記載されています。この一覧は添付のPDFではなく、ページ上の表として置かれているため、申請者名と事業名をそのまま読み取れます。
発表のページは背景として、令和6年1月の能登半島地震で被害を受けた観光地全体の復興のためには、施設の復旧・事業継続等の措置に合わせて、観光施設・宿泊施設等を含め地域一体となった観光戦略の再構築・地域の魅力向上のための取組が必要です、と書いています。宿泊施設が名指しで含まれている一方、支援の単位は個々の施設ではなく地域側に置かれていることが、この一文からも読み取れます。自分の宿を直すための補助として読むと、入口を取り違えます。
この記事では、観光庁の公募情報ページに書かれている範囲だけを整理します。2次公募の採択結果のページは短いため、同じ令和8年度の1次公募の採択結果、2次公募の開始を知らせるページ、そして前の回の採択結果も並べて読みます。補助額・補助率・支援の期間は、いずれのページにも書かれていません。要件がまとまっている公募要領はPDFで公開されていますが、当サイトはその本文を確認していないため、金額に関する数値は書きません。制度の当てはめについても断定しません。
2次公募の採択は、和倉温泉の協議会による1件です
採択結果のページは、最終更新日が2026年10月14日です。本文は、本事業において令和8年9月8日(火)から令和8年9月30日(水)まで申請事業の公募を行い、この度、支援する取組が決定しましたのでお知らせいたします、という内容です。その下に「採択取組一覧」という見出しの表があり、No・申請者名・所在地・事業名の4列で1行だけが示されています。
| 2次公募の採択取組一覧 | ページの記載のまま |
|---|---|
| No | 1 |
| 申請者名 | 和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会 |
| 所在地 | 石川県 |
| 事業名 | 和倉温泉創造的復興プランの高度化と観光地域循環型事業創出のための支援体制実証事業 |
| 公募期間 | 令和8年9月8日(火)~令和8年9月30日(水) |
| 最終更新日 | 2026年10月14日 |
| 問い合わせ先 | 観光庁 観光産業課 |
事業名に「支援体制実証事業」という語が入っていることは、読み手にとって手がかりになります。ただし、採択された取組の中身についての説明は、このページにはありません。何を実証するのか、どこまでを支援が担うのかは書かれていないため、事業名の文字から読み取れること以上は踏み込めません。
同じ年度の1次公募では、60件の応募から18件が採択されました
同じ事業の1次公募の採択結果は、最終更新日2026年5月29日のページで公表されています。本文には、本事業について令和8年2月12日から3月16日まで申請事業の公募を行ったところ、60件の応募がございました、と書かれています。採択取組一覧の表には18行が並び、所在地は石川県が17件、富山県が1件です。
支援の形もこのページに書かれています。観光庁では、令和6年1月の能登半島地震に加え、同年9月の豪雨等で被害を受けた観光地全体の復興のために、自治体、関係団体や個別事業者が一体となった復旧・復興計画の作成、復旧後の誘客促進を図るためのコンテンツ造成等の取組を、専門家の派遣などを通じて支援を行います、という説明です。設備や工事に対する補助としてではなく、人を送る形が先に書かれていることになります。
| 令和8年度の公募 | 1次公募 | 2次公募 |
|---|---|---|
| 公募期間 | 令和8年2月12日~3月16日 | 令和8年9月8日(火)~9月30日(水)17:00必着 |
| 応募件数 | 60件 | 記載がありません |
| 採択 | 18件 | 1件 |
| 採択結果の公表 | 2026年5月29日 | 2026年10月14日 |
| 採択一覧の示し方 | ページ上の表(申請者名・所在地・事業名) | ページ上の表(同じ4列) |
| 所在地 | 石川県17件・富山県1件 | 石川県1件 |
2次公募の応募件数は、採択結果のページにも、公募を知らせるページにも書かれていません。18件に対して1件という差は目を引きますが、分母が公表されていないため、採択率を計算して示すことはできません。応募が少なかったのか、審査で絞られたのかを区別する材料も、公開されているページの中にはありません。
採択された申請者には、観光協会や組合、宿の名前が並んでいます
1次公募の一覧は名称がそのまま載っているため、どういう主体が申請者になっているかを確かめられます。自治体としては志賀町と珠洲市、観光協会としては和倉温泉観光協会・門前町観光協会・輪島市観光協会、組合としては輪島市朝市組合・輪島漆器商工業協同組合・輪島市本町商店街振興組合が並びます。協議会の形では、大呑地域農泊推進協議会、能登島地域づくり協議会、和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会、輪島市観光まちづくり推進協議会、輪島塗復興協議会が入っています。このほかに観光地域づくりを担う法人や企業名の申請者も含まれ、富山県からは松本魚問屋が1件です。
宿泊を営んでいる側から見ると、一覧に民宿ふらっとという宿の名前が入っていることが目に留まります。1次公募のページは、自治体、関係団体や個別事業者が一体となった取組を支援すると書いており、その「個別事業者」が実際に一覧へ現れた形です。ただし、申請できる者の条件は公募要領の側に書かれています。宿が単独で申請者になれるのか、協議会の構成員として関わる前提なのかは、この一覧からは判断できません。
名称を数えると、輪島を含む申請者が6件、和倉温泉を含む申請者が2件で、残りが10件です。名称に地名を入れていない申請者もいるため、これは所在地の内訳ではありません。それでも、同じ地域から複数の主体が申請者として並んでいることは、一覧から確かめられます。地域ごとにどの主体が動いているかは、周辺で宿を営む人にとっては相談先の手がかりになります。
和倉温泉の協議会は、1次と2次の両方の一覧に名前があります
2次公募で採択された和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会は、1次公募の一覧にも入っています。1次の事業名は「和倉温泉共創復興モデル構築事業 ~企業コンソーシアムによる面的経営高度化と次世代プレイヤー育成~」、2次の事業名は「和倉温泉創造的復興プランの高度化と観光地域循環型事業創出のための支援体制実証事業」です。どちらにも「高度化」という語が入っています。
同じ年度に2回の一覧へ名前が出ていることについて、観光庁のページは理由を書いていません。1次と2次が別の取組に対する採択なのか、同じ取組の続きなのかも示されていないため、ここは推測せずに置きます。あわせて和倉温泉観光協会も1次公募の一覧に入っており、事業名は「和倉温泉の創造的復興に向けた、地域一体の観光データ基盤導入」です。ひとつの温泉地から複数の主体が採択されていることは、一覧の記載から確かめられます。
2次公募で示されていた支援は「経営高度化支援」と「専門家派遣」です
2次公募の開始を知らせるページは、最終更新日が2026年9月8日です。支援の対象として挙げられているのは「観光地・観光事業者等の経営高度化支援」と「専門家派遣」の2つです。公募期間は令和8年9月8日(火)から令和8年9月30日(水)17:00必着で、申請は様式ファイルをダウンロードし、必要事項を記入して事業事務局へメールで提出する形が案内されています。公募要領と申請様式も、同じページからダウンロードできます。
このページから分かるのは、支援の入口が2つに分かれていること、そして申請の受け付けが観光庁ではなく事業事務局に置かれていることです。補助率や上限額の記載はありません。公募要領のPDFに記載があるかもしれませんが、当サイトは本文を確認していないため、金額について書けることはありません。要件と経費の区分を調べる先は、お知らせのページではなく公募要領のほうです。
同じ名前の事業は、前の回にも行われています。令和7年1月27日から2月28日までの公募では82件の応募があり、採択取組一覧には17件が並んでいます。そのときのページにも、専門家の派遣などを通じて支援を行うという同じ説明が置かれています。事業が回を重ねていることは公募情報から確かめられますが、次の公募が行われるかどうかについては、どのページにも書かれていません。
この発表に書かれていないこと
公募情報のページは、採択という事実を知らせるためのものです。読者が知りたくなる項目のうち、書かれていないものを埋めずに並べます。
| 知りたくなる項目 | 公募情報のページでの扱い |
|---|---|
| 2次公募の応募件数 | 記載がありません |
| 補助額・補助率・上限 | 記載がありません(要件は公募要領のPDF) |
| 支援を受けられる期間 | 記載がありません |
| 審査の基準・評価の観点 | 記載がありません |
| 採択された取組の内容 | 事業名のみ。中身の説明はありません |
| 不採択だった場合の扱い | 記載がありません |
| 宿泊事業者が単独で申請できるか | 記載がありません |
| 次の公募の予定 | 記載がありません |
空欄が多く残るのは、情報が隠されているからではなく、ページの役割が違うからです。金額の話を先に探すより、自分が申請者になれる立場かどうかを公募要領で確かめるほうが順番として早いはずです。そのうえで分からない点は、ページに示された事業事務局と観光庁観光産業課へ聞く形になります。
宿泊や民泊を運営している人が、いま確かめられること
1つめは、自分の地域に申請者になっている主体がいるかどうかです。1次公募の一覧には、自治体・観光協会・まちづくりの協議会・商店街や工芸の組合・宿が並んでいます。地域一体の取組として支援される形であれば、関わる入口はこうした主体の側にあります。地域の制度や条例が運営に効いてくる構造については、民泊の立地の選び方に整理しています。
2つめは、収支の前提に入れないことです。2次公募の採択は1件で、金額も期間も公表されていません。採択されるかどうかが分からない支援を織り込むと、計画の数字が動いてしまいます。民泊の収支計画は、確定している費用と、根拠のある収入の枠から組み立てるのが前提です。補助や支援は、取れたときに上に乗るものとして分けて扱います。
3つめは、聞く先を分けることです。要件と提出物は公募要領、申請の受け付けと手続きは事業事務局、事業そのものの位置づけは観光庁観光産業課が示されています。被災地で物件を探している場合は、建物の状態と地域側の計画が重なる話になるため、民泊の物件の探し方で挙げている確認先とあわせて当たることになります。
この記事は、観光庁の公募情報ページ4件に書かれている範囲を整理したものです。採択された取組の中身、補助の金額、今後の公募については記載がないため書いていません。申請の可否や要件の当てはめについて最終的な判断が必要な場合は、公募要領と、ページに示された事業事務局および観光庁観光産業課に確認してください。
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