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韮崎市とアルバリンクが空き家の流通促進で包括連携協定を締結

株式会社AlbaLinkが山梨県韮崎市と「空き家の流通促進に関する包括連携協定」を締結したと発表しました。協定に書かれている内容、韮崎市が公表している官民連携の枠組み、空き家を民泊として届け出るときに確認することを整理します。

株式会社AlbaLink(アルバリンク)は2026年9月1日、山梨県韮崎市と「空き家の流通促進に関する包括連携協定」を締結したと発表しました。発表では、締結日を令和8年9月1日(火)としています。同社は本社を東京都江東区に置き、代表取締役は河田憲二氏です。

空き家を安く手に入れて民泊にする、という考え方は物件探しの場面でよく出てきます。自治体と民間事業者が空き家の流通で手を組む動きは、その入口が増えることを意味します。ただし、流通の枠組みが引き受ける範囲と、宿泊事業として使えるかどうかの判定は別です。この記事では、発表本文に書かれていることと、韮崎市が自分のサイトで公表している空き家対策の枠組み、そして空き家を宿泊に使おうとするときに確認することになる制度上の要件を、それぞれの一次情報にもとづいて分けて整理します。

この協定にもとづく物件が民泊に使えるかどうかは、発表からも市の資料からも判断できません。当サイトも断定しません。金額や物件数といった数字も、この発表には含まれていません。

協定に書かれているのは「流通促進」と「利活用」までです

発表は、協定の主な内容として三つを挙げています。空き家の流通促進に関すること、空き家の利活用に関すること、そしてその他、前条の目的を達成するために必要と認められることです。用途を宿泊に限った項目はありません。

背景として発表が説明しているのは、韮崎市の状況です。同市は八ヶ岳や南アルプスなどの豊かな自然に囲まれ、交通の要衝として発展してきたほか、ぶどうや桃の産地としても知られているとしています。一方で、近年進行する人口減少や高齢化に伴い、空き家の増加や管理不全が課題となっており、特に老朽化や再建築不可といった「困難物件」への対応が難しい状況にあると書かれています。市はこれまでも空き家バンクを活用した流通促進を図ってきたものの、行政だけでは十分に対応しきれない側面があるのも事実だとしています。

そのうえで発表は、同社が持つ難易度の高い不動産の買取・再生に関する専門的ノウハウと、全国規模の投資家ネットワークを活かし、韮崎市と協力して空き家問題の解消と生活環境の保全を推進すると説明しています。空き家所有者への早期の意識啓発を推進するとともに、これまで活用が進まなかった物件に対しても所有者へ幅広い解決策を提示し、積極的な再利用を後押しすることで、地域の再生・活性化に寄与することを目的として締結した、という組み立てです。

物件を探す側から読むと、ここで示されているのは出口の作り方であって、買った先の使い道ではありません。老朽化や再建築不可という条件が付いた物件は、そのまま宿泊に使えるとは限らず、確認する項目も増えます。物件の段階で何を見るかは民泊の物件の選び方に整理しています。

項目 発表の記載
協定名 空き家の流通促進に関する包括連携協定
当事者 株式会社AlbaLink(本社:東京都江東区、代表取締役:河田憲二)/山梨県韮崎市
締結日 令和8年9月1日(火)
協定の主な内容 空き家の流通促進に関すること
同上 空き家の利活用に関すること
同上 その他、前条の目的を達成するために必要と認められること
市側の担当 韮崎市 移住定住促進課

韮崎市の資料では、民間4社それぞれに役割が割り振られています

韮崎市は「空き家対策について」のページで、民間企業4社と連携し、相談から管理、利活用、解体、困難物件への対応までを一貫してサポートすると説明しています。役割は会社ごとに書き分けられており、株式会社山梨中央銀行が相続や資産管理等の初期相談を受け、株式会社L&Fが適切な維持管理や利活用を案内し、株式会社クラッソーネがITツールで費用を可視化して処分を後押しし、株式会社アルバリンクが投資家ネットワークを活用して再生へ繋げる、という並びです。

同じページには、市が根拠としている法令の用語も示されています。空家特措法において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって、居住等に概ね1年を通じて使用されていないもの及びその敷地とされている、という説明です。市の計画と条例として、第2期韮崎市空家等対策推進計画と、韮崎市空家等対策の推進に関する条例が挙げられています。あわせて、解体工事の概算費用や解体後の土地の売却査定価格の相場が分かる機能、固定資産税のシミュレーター、空き家の予防に使う「住まいのエンディングノート」といったツールも紹介されています。

ここで押さえておきたいのは、市が並べている四つの役割のどれもが、所有者側の課題を解く順路として書かれていることです。相続の相談、維持管理、解体費用の見える化、そして流通が難しい物件の再生という流れであり、買った人が何に使うかは市の説明の対象になっていません。空き家を仕入れる経路としてこの枠組みを見るときは、そこまでを前提にして読むことになります。

韮崎市「空き家対策について」のページのファーストビュー
引用キャプチャ 空家特措法の「空家等」の定義、市の計画と条例、連携している民間企業とそれぞれの役割が示されている韮崎市の公式ページです。 出典:空き家対策について(韮崎市 移住定住促進課)(確認日 2026-09-07/表示のファーストビュー)

空き家バンクは所有者と希望者の「橋渡し」です

韮崎市は空き家バンク制度を、空き家があり売りたい・貸したいと思っている方と、韮崎市に住むために、空き家を買いたい・借りたいとお考えの方との橋渡しを行う制度だと説明しています。ここは読み飛ばさないほうがよい箇所です。制度の説明に「韮崎市に住むために」という限定が入っています。宿泊事業のための取得を前提にした制度ではない、と読めます。

利用の手順も公表されています。市のページによれば、空き家バンクの物件を見たい場合は空き家バンク内覧申込書を市へ提出します。内覧にあたっては所有者(担当不動産事業者)との日程調整が必要で、通常は申し込みから1週間ほど時間がかかると案内されています。

所有者向けには相談の場も用意されています。市内に空き家・空き地を持っている人を対象とした空き家相談会には不動産事業者、司法書士、空き家バンク担当者が参加し、料金は無料、申し込みが必要で各回6組限定とされています。令和8年度は複数回の開催が予定として掲載されており、韮崎市・南アルプス市・北杜市・甲斐市の4市合同による不動産所有者セミナーも令和8年11月に開催予定と書かれています。

つまり、市が用意しているのは情報の突き合わせと相談の窓口であり、物件ごとの条件交渉や用途の可否判断まで代行する仕組みではありません。賃借して始める場合に承諾の取り方が論点になる点は民泊にできる賃貸物件で扱っています。

韮崎市が公表している内容 記載
空き家バンクの目的 売りたい・貸したい方と、韮崎市に住むために買いたい・借りたい方との橋渡し
内覧の手続き 空き家バンク内覧申込書を市へ提出
所要 所有者(担当不動産事業者)との日程調整が必要。通常は申し込みから1週間ほど
空き家相談会の対象 韮崎市内に空き家・空き地をお持ちの方
相談会の参加者 不動産事業者、司法書士、空き家バンク担当者
相談会の費用と定員 無料。申し込みが必要で各回6組限定
担当窓口 移住定住促進課 移住定住担当

空き家をそのまま民泊にできるとは限りません

空き家を手当てできたとして、そこから宿泊事業に進む場合に最初に確かめることがあります。住宅宿泊事業法でいう「住宅」に当たるかどうかです。観光庁の民泊制度ポータルサイトは、住宅の要件を設備要件と居住要件に分けて示しています。設備要件は台所、浴室、便所、洗面設備です。居住要件は、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋の三つです。

ここで、韮崎市が示している空家特措法の用語と並べてみます。市の説明では「空家等」は居住等に概ね1年を通じて使用されていないものとされていました。使われていないから空き家であるという定義です。一方で住宅宿泊事業法の居住要件は、いずれも人の居住と結び付いた状態を求めています。同じ建物を指していても、二つの法律が見ている状態は違います。空き家として流通した物件を届出住宅にしたい場合、居住要件のどれに当てはめるのかを整理する必要があり、それは物件ごとの事情で変わります。当てはめの判断は所管の窓口に確認してください。

制度の枠組みも押さえておきます。同ポータルサイトは、住宅宿泊事業者は都道府県知事等への届出、住宅宿泊管理業者は国土交通大臣の登録、住宅宿泊仲介業者は観光庁長官の登録が必要だと説明しています。年間提供日数の上限は180日とされ、算定は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までを1年間として行うと示されています。届出後に続く業務は住宅宿泊事業者とはに、日数の数え方は民泊の180日ルールにまとめました。旅館業法の許可を取る道を選ぶ場合との違いは簡易宿所と民泊の違いで比較しています。

安く買えることと、使えることは別の問題です。取得の経路が増えても、届出や許可の要件が緩むわけではありません。

確認する項目 観光庁が示している内容
設備要件 台所、浴室、便所、洗面設備
居住要件(いずれか) 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
同上 入居者の募集が行われている家屋
同上 随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋
住宅宿泊事業者 都道府県知事等への届出
住宅宿泊管理業者 国土交通大臣の登録
住宅宿泊仲介業者 観光庁長官の登録
年間提供日数の上限 180日(毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までを1年間として算定)

この発表に記載がないこと

空き家を仕入れて宿泊に使うことを検討している人が知りたくなる項目のうち、この発表にも市の公表資料にも書かれていないものを並べます。埋めずにそのまま示します。

知りたくなる項目 発表・市の資料での扱い
協定の対象になる物件の件数 記載がありません
買取や再生の価格帯 記載がありません
宿泊事業への利活用を想定しているかどうか 記載がありません
協定の期間や更新の条件 記載がありません
市と同社の費用負担の分け方 記載がありません
空き家バンク以外の物件が対象に含まれるか 記載がありません

書かれていない項目が多いのは、この発表が協定の締結を知らせるものであり、個別の物件や取引の条件を示すものではないためです。具体的な数字が出るとすれば、市の計画にもとづく実績の公表か、同社の後続の発表になります。当サイトも、その資料が公表されるまでは件数や金額を扱いません。

この協定から読み取れること

自分の物件探しに引き寄せて考えられるのは、次の三点です。

一つめは、自治体が空き家の窓口を民間と分担して持つようになっていることです。韮崎市の場合、相談、維持管理、解体、困難物件の再生という段階ごとに相手が決まっています。地域で物件を探すときは、市のサイトに掲載されている連携先を先に見ておくと、誰に何を聞けばよいかが分かります。

二つめは、空き家バンクの目的が定住であって、宿泊事業ではないことです。制度の説明に書かれた限定は読み手が思うより重く、物件によっては用途が合わないことがあります。掲載物件を見る前に、その市の制度が何のために作られているかを確かめてください。

三つめは、法律ごとに同じ建物の見方が変わることです。空家特措法は使われていないことで空き家を定義し、住宅宿泊事業法は人の居住と結び付いた状態を住宅の要件にしています。空き家を届出住宅にしたい場合、この差をどう埋めるかが最初の論点になります。制度の全体像から確かめたい場合は民泊の初心者向けの解説から読み進めてください。最終的な判断は、物件の所在地を所管する窓口で確認することになります。

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