リネン・アメニティ/解説

民泊のリネン管理|交換の義務から必要枚数を逆算する

シーツやカバーは宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える必要があります。この義務から必要枚数を逆算する考え方、洗濯を外に出すときの責任、タオルの扱いまで出典つきで整理しました。

リネンを何枚用意するかは、好みではなく交換の義務から決まります

観光庁は、宿泊者の衛生の確保として、寝具のシーツ、カバー等直接人に接触するものについては、宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える必要があるとしています。

ここで重要なのは、「洗って戻す」ではなく「洗濯したものと取り替える」と書かれている点です。次の宿泊者を迎える時点で、洗濯済みのものが手元に無ければ回りません。必要枚数は、この一文から逆算します。

この記事では、義務の範囲、枚数の出し方、洗濯を外に出すときの扱いを整理します。清掃全体は民泊の清掃にまとめました。

義務の対象は「直接人に接触するもの」

まず範囲を確かめます。示されているのは、寝具のシーツ、カバー等、直接人に接触するものです。

シーツと枕カバー、布団カバーはこれに当たります。マットレスや掛け布団そのものは、カバーを介して使うなら直接の接触ではありません。ただし、設備や備品等については清潔に保ち、ダニやカビ等が発生しないよう除湿を心がけ、定期的に清掃、換気等を行う必要があるとされています。カバーの中身も、放置してよいわけではありません。

タオルについては、この一文に名指しの記載を確認できませんでした。ただし、直接人に接触するものという書き方は、素材や名称ではなく使われ方で決まる表現です。使い回さない前提で用意するのが、この規定の趣旨に沿います。

宿泊者が入れ替わるごとに取り替える寝具と、清潔に保つ対象になるものを左右に並べた図
「洗って戻す」ではなく「洗濯したものと取り替える」です。カバーの中身も、放置してよいわけではありません。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」事業者の業務[1](確認日 2026-08-21)

枚数は「回転」から出す

必要枚数を決める考え方は、次のとおりです。

1回分の枚数を出します。定員から決まります。居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上を確保する必要があるため、定員は住宅の広さで上限が決まります。その人数分が、1回に使う枚数です。

手元に必要な組数を出します。宿泊者が入れ替わる時点で、洗濯済みのものが要ります。つまり最低でも、使用中の1組と、次に備える1組が必要です。

洗濯にかかる時間を織り込みます。自分で洗うなら乾燥までの時間、外に出すなら回収から納品までの日数です。その間に次の宿泊が入るなら、そのぶん組数が増えます。

連続で埋まる日数を見ます。予約が続く期間の長さが、そのまま必要な組数に効いてきます。

つまり、定員 × 必要な組数が持つべき枚数です。組数は洗濯の回転で決まります。ここは物件と運用で変わるため、この記事に具体的な枚数は書いていません。

具体的な枚数は書きません

「何人なら何枚」という目安を裏づける公的な資料は確認できませんでした。そのため、この記事に枚数は書いていません。

定員、連泊の入り方、洗濯を自分で行うか外に出すか、乾燥機があるかどうかで変わります。一般的な枚数を載せると、確認した事実のように読まれます。

代わりに、枚数を決める要因は上に挙げたとおりです。自分の物件で、稼働がいちばん詰まる週を想定して数えてください。他所の目安より、その週を回せるかどうかのほうが確実です。

定員、必要な組数、洗濯にかかる時間、連続で埋まる日数を積み上げた図
他所の目安より、稼働がいちばん詰まる週を回せるかどうかのほうが確実です。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」事業者の業務[1](確認日 2026-08-21)

タオルの枚数も、同じ考え方で出す

「タオルは何枚か」という問いも、枚数そのものの目安は確認できませんでした。出せるのは、シーツと同じ組み立てです。

定員から1回分を出し、洗濯の回転から組数を掛けます。タオルはシーツより枚数の種類が増えるため(用途ごとに分けるかどうかで変わります)、まず何種類を置くかを決めてから数えるほうが早く決まります。種類を増やすほど、1回の洗濯量と保管の場所が増えます。

置く種類を決めるときは、清潔に保てるかも基準になります。設備や備品等については清潔に保ち、ダニやカビ等が発生しないよう除湿を心がけ、定期的に清掃、換気等を行う必要があるとされています。使われないまま置きっぱなしになるものは、その対象として残り続けます。

アメニティ全体をどこまで置くかは民泊のアメニティで扱っています。

洗濯を外に出しても、責任は残る

リネンの洗濯を業者に頼む形はよく取られます。ここには条件があります。

観光庁は、法第11条に基づかない委託によって常時届出住宅内にいる住宅宿泊事業者が、清掃等の一部の事実行為を住宅宿泊管理業者ではない専門業者に行わせることは可能としています。

ただし注意が2つあります。1つは、この扱いは住宅宿泊管理業者に委託をせずに自ら管理業務を行う事業者であって、届出住宅の居室の数の合計が5以下の者に限られること。もう1つは、この場合には法第5条から第10条までの規定が事業者に適用されるため、違反等があった場合には委託者の責任になることです。

業者が交換を忘れても、問われるのは事業者です。納品のたびに枚数を確認する形にしておくと、あとで説明できます。

なお、居室が5を超える場合や、宿泊させる間に不在となる場合は、住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者へ全部委託することになります。その場合、リネンの管理も委託先の業務です。分割して一部だけ自分で行うことはできません。委託の条件は民泊の自主管理で扱っています。

感染症が疑われるときは扱いが変わる

普段の交換とは別の手順があります。

観光庁は、宿泊者が人から人に感染し、重篤な症状を引き起こすおそれのある感染症に罹患し、またはその疑いがあるときは、保健所に通報するとともに、その指示を受け、その使用した居室、寝具および器具等を消毒・廃棄する等の必要な措置を講じる必要があるとしています。

寝具が廃棄の対象になり得ます。予備を持たずに回していると、その時点で営業できなくなります。枚数を決めるときに、この可能性も考えておいてください。

また、住宅宿泊事業に起因して発生したごみは、事業活動に伴って生じた廃棄物として住宅宿泊事業者が責任をもって処理しなければならないとされています。廃棄する場合の出し方も、家庭ごみとは別です。所管の自治体に確認してください。

浴槽や加湿器があるなら、作業が増える

リネンと同じく「宿泊者が入れ替わるごと」に行う作業が、ほかにもあります。

観光庁は、届出住宅に循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)や加湿器を備え付けている場合は、レジオネラ症を予防するため、宿泊者が入れ替わるごとに浴槽の湯は抜き、加湿器の水は交換し、汚れやぬめりが生じないよう定期的に洗浄等を行うなど、取扱説明書に従って維持管理する必要があるとしています。

リネンの交換と同じ時間帯に、これらも入ります。入れ替わりの作業時間を見積もるときは、まとめて数えてください。時間の前後をどこまで動かせるかは民泊のアーリーチェックインとレイトチェックアウトで扱っています。

寝具の取り替え、浴槽の湯抜き、加湿器の水の交換、清掃と換気を並べた確認リスト
リネンの交換と同じ時間帯に、これらも入ります。入れ替わりの作業時間はまとめて数えてください。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」事業者の業務[1](確認日 2026-08-21)

決める順序

リネンの体制は、次の順で決まります。

定員を確定する。居室の床面積から、宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上を確保できる人数が上限です。ここで1回分の枚数が決まります。

洗濯の方法を決める。自分で洗うのか、外に出すのか。外に出すなら、回収から納品までの日数を確認します。

いちばん詰まる週を想定して、組数を出す。連泊と連続予約が重なる週で回せる枚数が、持つべき枚数です。

予備を上乗せする。感染症が疑われる場面では、寝具が廃棄の対象になり得ます。

確認の形を決める。外に出すなら、納品のたびに枚数を確かめます。責任は事業者に残ります。

次に読むもの

清掃全体の考え方は民泊の清掃、アメニティの扱いは民泊のアメニティ、日々の業務と頻度は民泊運営の基本にあります。

衛生管理の具体的な基準は、自治体の条例で定められている部分があります。この記事は観光庁が公表しているページの内容を整理したものです。廃棄の方法を含め、実際の運用は届出住宅の所在する自治体に確認してください。

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