チェックイン・チェックアウト/解説

民泊のアーリーチェックインとレイトチェックアウト|時間で変わること

入室と退室の時刻そのものを定めた規定はありません。ただし日数の算定は正午区切りで、宿泊者が入れ替わるごとの清掃と寝具交換も必要です。時間を動かすと何に効いてくるのかを出典つきで整理しました。

早く入りたい、遅く出たい、という要望にどう答えるか。ここには時刻そのものを定めた規定がありません。何時に入室させ、何時に退室させるかは、事業者が決められます。

ただし、時間を動かすと別の決まりに触れます。日数の算定は正午で区切られており、宿泊者が入れ替わるごとに行う作業もあります。要望に応えられるかは、そこから決まります。

この記事では、入室と退室の時刻を動かしたときに何に効いてくるのかを整理します。チェックインの方法そのものは民泊のチェックイン方法にまとめました。

日数の区切りは正午

いちばん効いてくるのがここです。観光庁は、人を宿泊させる日数の算定方法について、1年間は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで、1日は正午から翌日の正午までとしています。

数え方についても、1泊を1日としてカウントして算定するとされています。住宅宿泊事業法では、4月1日正午から翌年の4月1日正午までの1年間に人を宿泊させる日数は180日までと決まっている、と説明されています。

つまり、制度が想定している1日の区切りは正午です。正午より前に入室させ、正午より後に退室させる運用は、この区切りをまたぎます。日数の数え方は「1泊を1日」なので泊数で決まりますが、区切りが正午であることは、営業日数の管理を組むときの前提になります。

日数の数え方そのものは民泊の180日ルールとはで詳しく扱っています。

正午から翌日の正午までを1日とする区切りと、1年間の起算を示した時系列図
暦の1日ではありません。区切りは正午で、1年間の起算も4月1日の正午です。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」住宅宿泊事業法とは(確認日 2026-08-21)

前後の予約の間に、作業の時間が要る

時刻を動かすと、直接ぶつかるのが清掃です。ここは頻度が固定されています。

観光庁は、寝具のシーツ、カバー等直接人に接触するものについては、宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える必要があるとしています。

循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)や加湿器を備え付けている場合は、レジオネラ症を予防するため、宿泊者が入れ替わるごとに浴槽の湯は抜き、加湿器の水は交換し、汚れやぬめりが生じないよう定期的に洗浄等を行うなど、取扱説明書に従って維持管理する必要があります。

設備や備品等については清潔に保ち、ダニやカビ等が発生しないよう除湿を心がけ、定期的に清掃、換気等を行う必要があるとされています。

つまり、前の宿泊者が出てから次の宿泊者が入るまでに、必ず行う作業があります。レイトチェックアウトを受けて、その日にアーリーチェックインも受けると、その作業の時間が消えます。どちらか一方しか受けられない日が出るのは、この制約によるものです。

追い炊き機能付きの風呂を置いているかどうかで、必要な時間が変わります。設備の選択が、受けられる要望の幅を決めています。設備と備品の関係は民泊に必要な設備にまとめました。

本人確認は「宿泊行為の開始まで」

入室を早めるなら、確認も早める必要があります。

観光庁は、宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置として、宿泊行為の開始までに、宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要があるとしています。方法は対面か、対面と同等の手段としてのICTです。

非対面で運用している場合、ICTの条件のひとつに画像が届出住宅内または届出住宅の近傍、事業者や管理業者の営業所等から発信されていることが確認できることがあります。届出住宅に着いてから確認する形になるため、早く入りたいという要望は、早く確認を受けてもらうことと同じ意味になります。

荷物だけ先に置きたい、という相談もあります。この扱いを定めた資料は確認できませんでした。ただし、宿泊者が届出住宅を使い始める時点が宿泊行為の開始にあたるかは、実態で判断されることになります。判断に迷う場合は届出先の窓口に確認してください。

本人確認、名簿への記載、周辺配慮の説明が入室の前に来ることを順に示した手順図
早く入りたいという要望は、早く確認を受けてもらうことと同じ意味になります。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」事業者の業務[1](確認日 2026-08-21)

早朝と深夜は、周辺への配慮に関わる

もう1つ、時間帯そのものが関わる義務があります。

住宅宿泊事業者は、騒音の防止のために配慮すべき事項を宿泊者に説明する必要があります。観光庁が想定される内容として挙げているのは、大声での会話を控えること、深夜に窓を閉めること、バルコニー等屋外での宴会を開かないこと、届出住宅内は楽器を使用しないこと等です。そのうえで、届出住宅およびその周辺地域の生活環境に応じ適切な内容を説明することが必要とされています。

早朝の入室や深夜の退室は、出入りの音そのものが周辺への影響になります。共同住宅なら共用部を通る時間帯、戸建てなら屋外での会話や荷物の音が関わります。

苦情への対応も義務です。届出住宅の周辺地域の住民からの苦情および問合せについては、適切かつ迅速に対応しなければならないとされています。時間帯を広げるほど、苦情が生じる場面も広がります。

受け入れる時間帯は、周辺の環境から決めるという考え方が要ります。物件によって答えが変わります。

長い滞在では、途中で確認が入る

滞在の前後だけでなく、滞在そのものが長い場合にも決まりがあります。

観光庁は、長期滞在者には定期的な清掃等の際に、チェックイン時に本人確認を行っていない者が届出住宅に宿泊するようなことがないよう、不審な者が滞在していないか、滞在者が所在不明になっていないか等について確認するよう求めています。特に宿泊契約が7日以上の場合には、定期的な面会等により確認を行う必要があります

レイトチェックアウトの延長で連泊が伸びる場合、この線をまたぐことがあります。7日以上になるなら、途中で会う段取りが要るということです。非対面で回している運用ほど、この点は先に決めておく必要があります。

滞在中も、周辺への配慮事項を確認できる状態を保ちます。観光庁は、説明が確実になされるよう、居室内に電話を備え付けること等により、事前説明に応じない宿泊者に対し注意喚起できるようにする必要があるとしています。長い滞在ほど、連絡が取れることの意味が大きくなります。

延長で日数が増えるかを確認する

延長を受けると、営業できる日数が減ることがあります。

住宅宿泊事業では、1年間に人を宿泊させる日数が180日を超えられません。1泊を1日としてカウントして算定するとされているため、宿泊が1泊増えれば、使える日数が1日減ります。

レイトチェックアウトのように、同じ宿泊の中で退室を遅らせるだけなら泊数は変わりません。一方、その延長が1泊分の延泊になるなら、日数を1日消費します。どちらに当たるかで、残りの日数への影響が変わります。

条例による制限がある地域では、さらに注意が要ります。都道府県等は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができます。実施できる期間が短い地域では、1日の重みがそのぶん大きくなります。

年間の日数管理は民泊の180日ルールとは、日々の記録と報告は民泊運営の基本で扱っています。

追加料金の相場は書きません

アーリーチェックインやレイトチェックアウトに追加料金を設定するかどうか、いくらにするか。この点を裏づける公的な資料は確認できませんでした。そのため、この記事に金額は書いていません。

決められるのは事業者です。ただし、料金を取るかどうかにかかわらず、上に挙げた制約は変わりません。清掃の時間が確保できない日は、料金を上げても受けられません。

決める順序

対応するかどうかは、次の順に考えると決まります。

設備から、宿泊者が入れ替わるごとに必要な作業を書き出す。寝具の交換に加え、循環式浴槽や加湿器があれば湯を抜き水を交換します。ここで必要な時間が決まります。

前後の予約が続く日を想定する。連続で埋まる日は、どちらか一方しか受けられない可能性があります。

本人確認をいつ行うかを決める。非対面なら、届出住宅に着いてからになります。早い入室は早い確認を意味します。

周辺の環境から、受け入れる時間帯の幅を決める。共同住宅か戸建てか、隣接する住戸との距離で変わります。

そのうえで、料金を取るかを決める。順序が逆になると、受けられない日に料金だけ設定することになります。

設備から必要な作業を出す、連続予約を想定する、本人確認の時点を決めるなどを並べた確認リスト
順序が逆になると、受けられない日に料金だけ設定することになります。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」事業者の業務[1](確認日 2026-08-21)

次に読むもの

チェックインの方法そのものは民泊のチェックイン方法、案内に書く項目は民泊のチェックイン案内、日数の数え方は民泊の180日ルールとはにあります。

条例で実施期間が制限されている地域では、営業できる時期そのものが変わります。この記事は観光庁が公表しているページの内容を整理したものです。運用の形に迷う場合は、届出先の自治体へ確認してください。

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