宿泊旅行統計/データ

宿泊旅行統計調査のデータの取り方|4つの経路と更新の新しさ

宿泊旅行統計調査の数値を取り出す経路は、観光庁の報道発表、調査ページの参考表、e-Statのファイル提供、データベースとAPIの4つです。経路ごとに入っている時点が違い、APIで取れるのは調査年2016年の年確定値32件だけであることを確かめます。

宿泊旅行統計調査の数値を取り出す入口は4つあります。観光庁の報道発表、観光庁の調査ページ、政府統計の総合窓口(e-Stat)のファイル提供、そして e-Stat のデータベースとその API 機能です。どれを開くかは、欲しい粒度と、どこまで新しい時点が必要かで決まります。

先に、取り違えると手戻りになる点を書いておきます。この調査でプログラムから自動で取れるのは年確定値の32件だけで、その調査年は2016年のままです(確認日 2026-11-03)。API を前提に集計の仕組みを組むと、最新の月の数値は入ってきません。直近の月次の値は、ファイル提供の EXCEL にしか置かれていません。

この記事では、4つの経路で何が取れるか、e-Stat の中でファイル提供とデータベースが別物であること、1回の公表でどの対象月のファイルが増えるか、そして取った数値を記録に残すときに何を書き添えるかを、実際の表示から確かめた範囲で整理します。

数値そのものの読み方は扱いません。第1次速報値・第2次速報値・年確定値という公表段階の違いや、集計区分の確かめ方は宿泊旅行統計調査の見方にあります。この記事は「どこから取るか」だけに絞ります。

経路は4つ。粒度と新しさで分かれます

どの経路でも同じ調査の数値ですが、置かれている形と時点が違います。全国の最新月の概要が欲しいのか、都道府県や施設タイプで分けた月次の表が欲しいのか、市町村より細かい単位が欲しいのか、機械で定期的に取りたいのかで、開く場所が変わります。

宿泊旅行統計調査の数値を取り出す経路を、全国の最新月の概要なら観光庁の報道発表、都道府県別や施設タイプ別ならe-Statのファイル提供、市町村より細かい単位なら観光庁の調査ページの参考表、機械で定期取得するならデータベースとAPI機能の4方向に分けた分岐図
欲しい粒度から経路を決めます。いちばん右の経路だけ、入っている調査年が2016年で止まっています(出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」、e-Stat「宿泊旅行統計調査」統計表一覧。確認日 2026-11-03)。

4つを並べると、こうなります。いずれも2026年11月3日に実際の画面で確認した内容です。

経路 出てくるもの 細かく見られる単位 形式 確認した最新の時点
観光庁の報道発表 対象月の概要(第1次速報と第2次速報が1件に並ぶ) 発表資料に載っている範囲 PDF 1件 2026年8月31日更新の発表
観光庁の調査ページ 調査結果、調査票、記入要領、参考表 広域市町村(130区分) PDF・Excel 広域市町村別集計は2025年分
e-Stat のファイル提供 月次・年次の統計表(4つの群) 施設所在地(47区分及び運輸局等)、宿泊施設タイプ(6区分) EXCEL 第1次速報値は2026年9月分
e-Stat のデータベース・API 年確定値の統計表32件 同じ区分で画面上から絞り込める 統計表の画面表示・API 調査年2016年

表の右端の列が、この記事でいちばん伝えたいところです。同じ統計の同じ区分でも、経路によって手に入る時点が10年近く違います。ファイル提供には2026年9月分が入っていて、データベースの調査年は2016年です。

報道発表は、対象月の概要をPDF1件で出します

毎月の公表は、観光庁の報道発表として出ます。たとえば「宿泊旅行統計調査(2026年7月・第1次速報、2026年6月・第2次速報)」という発表は、最終更新日が2026年8月31日で、添付されているのは PDF 1件だけです(確認日 2026-11-03)。1件の発表に、直近月の第1次速報と、その前月の第2次速報が同時に載ります。

発表のページには「詳細結果は、以下のページをご覧ください。」と書かれ、調査ページへのリンクが置かれています。報道発表は概要を知るための経路で、都道府県別や施設タイプ別の表を取り出す経路ではありません。発表のPDFだけを見て「都道府県別の数字が無い」と判断しないでください。表は別の場所にあります。

毎月の発表で何が公表されたかを文章で追いたい場合は、記事側でも扱っています。直近の内容は2026年9月分の宿泊旅行統計調査の記事に、施設タイプ別の客室稼働率の水準はホテルの客室稼働率の記事にまとめています。

調査ページには、月次の発表に出てこない参考表があります

観光庁の調査ページは、調査結果の入口であると同時に、調査そのものの資料置き場です。ここにしか無いものが3つあります。

1つ目は参考表です。ページには「【参考表】 広域市町村(130区分)別集計」という区分が置かれ、2021年から2025年までの年単位の Excel が並んでいます(確認日 2026-11-03)。都道府県より細かい単位を探すときは、ここが入口になります。年単位であることと、参考表として位置づけられていることの2点は、引用するときに一緒に書き残してください。

2つ目は調査票と記入要領です。調査票は客室数で3つの様式に分かれ、「第1号様式:客室数1~19室」「第2号様式:客室数20~199室」「第3号様式:客室数200室以上」として掲載されています。自分の施設がどの様式に当たるかが分かるため、報告する側になったときの確認にも使えます。回答の方法については「2023年(令和5年)10月分より、独立行政法人統計センターが所管する「政府統計オンライン調査システム」を用いたオンライン(パソコン、スマートフォンなど)による回答も可能です。」と案内されています。

3つ目は区分けの変更の案内です。「2026年(令和8年)1月調査分より宿泊施設の区分け(層化変数)を「従業者数」から「客室数」に変更いたしました。」と書かれています。過去の年と並べたグラフを作るなら、この1行は図の注記に入れる対象です。

観光庁「宿泊旅行統計調査」のページのファーストビュー。調査の概要、用語の解説、調査結果の区分が並んでいる
引用キャプチャ この経路の入口です。調査の概要と用語の解説、調査結果の区分、調査票と記入要領、参考表への入口が1ページに集まっています。 出典:宿泊旅行統計調査(観光庁 観光統計・白書)(画面の取得日 2026-09-21/ページの確認日 2026-11-03/表示のファーストビュー)

なお、調査の概要、用語の解説、記入要領はいずれもPDFで提供されています。抽出の方法や稼働率の算式はそれらの資料にあり、この記事では引き写していません。算式を確かめるときは、必ずその資料を開いてください。

e-Stat のファイル提供は、4つの群に分かれています

都道府県別や施設タイプ別の表を取り出す経路がここです。e-Stat の「宿泊旅行統計調査」の統計表一覧は、データベース32件とファイル311件に分かれており、ファイル側は4つの群になっています(確認日 2026-11-03)。

e-Statの宿泊旅行統計調査のファイル提供が4つの群に分かれ、第2次速報値136件と第1次速報値128件は2026年10月30日公開の月次、宿泊旅行統計調査報告28件は2016年2月2日公開の年次、年確定値19件は2026年7月6日公開の年次であることを示した棒グラフ
件数と公開(更新)日は統計表一覧の表示をそのまま転記しています。毎月増えるのは速報値の2つの群だけです(出典:e-Stat「宿泊旅行統計調査」統計表一覧。確認日 2026-11-03)。

群の名前は、そのまま公表段階に対応しています。第1次速報値の群には2026年9月分が新着として入り、第2次速報値の群には2026年8月分が入っていました。どちらの群も公開(更新)日は2026-10-30です。1回の公表で、2つの群に別々の対象月が加わります。

月次の群には過去の月も残ります。第2次速報値の群は2015年の月から直近の月まで並び、年の区分から対象月を選んで開く形です。形式は EXCEL で、閲覧用のファイルも用意されています。年単位でそろえたいときは年確定値の群、調査の報告書の形で見たいときは宿泊旅行統計調査報告の群になりますが、後者は公開(更新)日が2016-02-02のままです。

気をつけるのは、群の名前まで控えておくことです。月の一覧を見ると、同じ対象月が第1次速報値の群と第2次速報値の群の両方に並んでいます(確認日 2026-11-03)。数値だけを控えて群を落とすと、あとで同じファイルへ戻れません。社内の資料に残すときは、群の名前、対象月、公開(更新)日の3つを数値と一緒に書いてください。

データベースと API は、この調査では2016年までしか返しません

e-Stat には、ファイルをダウンロードする経路とは別に、画面上で統計表を絞り込める「データベース」があります。API 機能で取れるのはこちらです。提供データの案内には「表示されている統計一覧が現在APIで提供している統計データになります。」と書かれ、データベース検索の一覧が指し示されています。あわせて「ただし、小地域・地域メッシュデータについては一覧に表示されませんのでご留意ください。」という例外も示されています。利用ガイドには「API機能を利用する際に、アプリケーションIDを送信する必要があります」とあります(いずれも確認日 2026-11-03)。

問題は、この調査でデータベースに登録されている群が1つしかないことです。

e-Statの宿泊旅行統計調査について、ファイル提供は311件で最新の公開更新日が2026年10月30日、データベースは32件で2019年3月15日と、件数、公開日、入っている期間、形式、API機能の対象かどうかの5軸で比較した表
左がダウンロードして開くファイル、右が画面と API から読めるデータベースです。右の調査年は2016年のままで、最新の月は入っていません(出典:e-Stat 統計表一覧、API機能の提供データ。確認日 2026-11-03)。

データベース側に並んでいるのは「宿泊旅行統計調査(年確定値)」の32件で、調査年は2016年、公開(更新)日は2019-03-15です。収録されている区分は、宿泊施設、延べ宿泊者数、実宿泊者数、定員稼働率、利用客室数、客室稼働率、外国人延べ宿泊者数、標準誤差率といった並びです。たとえば第8表は「年、月(12区分)、施設所在地(47区分及び運輸局等)、宿泊施設タイプ(6区分)別客室稼働率」で、公開年月日は2019年3月15日14時00分と表示されます(確認日 2026-11-03)。

したがって、この調査について API で取れるのは2016年までの年確定値です。毎月の数値をプログラムで集めたい場合、いまのところ経路はファイル提供の EXCEL だけになります。自動化を設計するときは、ここを前提に置いてください。API から値が返ってきても、それが最新とは限りません。

誤解のないように書き添えると、これは e-Stat の API が使えないという話ではありません。調査ごとに登録の状況が違うため、使う前にその調査のデータベース一覧を見る必要があるということです。民泊の届出住宅の実績のように、そもそも別の統計として公表されているものもあります。扱いの違いは民泊の統計の記事で整理しています。

いつ増えるかは、公表予定日のページで分かります

取りに行く日を決めるには、公表の予定が要ります。観光庁は公表予定日のページを用意していて、表の見出しは調査名、対象期間、公表日程(速報・確報)です。ページの最終更新日は2026年3月31日でした(確認日 2026-11-03)。

暦年の行は次のとおりです。月ごとの行も同じ表に並んでいます。

対象期間 速報 確報
2025年暦年 2026年 2月27日 2026年 6月30日
2026年暦年 2027年 2月26日 2027年 6月30日

表には「※暦年確報をもって確定」という注記が付いています。月ごとの数値は速報として出たあと、暦年の確報の段階で確定するという扱いです。e-Stat の年確定値の群の公開(更新)日が2026-07-06になっているのは、2025年暦年の確報が2026年6月30日に予定されていたことと時期が合います。

運用に落とすと、確認の周期は2つになります。月次の値を追うなら毎月1回、ファイル提供の群に新しい対象月が入ったかを見ます。年単位でそろえた表を使っているなら、翌年6月末の確報の時期に差し替えます。速報値のまま引用した資料を、確報が出たあとも使い続けないことが要点です。

取った数値には、経路と時点も一緒に残します

同じ「延べ宿泊者数」でも、報道発表のPDFから拾った値、ファイル提供の第1次速報値の表から拾った値、データベースの年確定値から拾った値は、別のものです。数値だけを転記すると、どれだったか分からなくなります。

残す項目は4つです。統計名、対象期間、公表段階(第1次速報値・第2次速報値・年確定値のどれか)、そして取り出した経路とその公開(更新)日です。前の3つの考え方は宿泊旅行統計調査の見方で扱っているため、この記事で足しているのは4つ目です。経路を残しておけば、更新されたときに同じ場所へ戻って差し替えられます。

都道府県の単位で継続して追うなら、どの表のどの行から取ったかも書いておくと確認が早くなります。地域別に見るときの注意は都道府県別の宿泊者数の記事にまとめています。

全国や都道府県の数値を自分の物件の前提に置けるかどうかは、取得の話とは別の問題です。統計は調査の対象となった施設を集計したもので、特定の物件で期待できる稼働や単価を示すものではありません。見積もりの組み立て方は民泊の売上予測の記事で扱っています。

この記事で確認できなかったこと

e-Stat のデータベースに今後の年が追加される予定があるかどうかは、確認できませんでした(確認日 2026-11-03)。一覧に表示されている公開(更新)日が2019-03-15であるという事実だけが分かっている状態です。予定の有無を推測せず、API を使う前にその都度データベース一覧を見てください。

抽出率、標本の設計、稼働率の算式も、この記事には書いていません。これらは調査の概要と用語の解説のPDFに載っており、本文へ引き写すと確認の手間が増えるだけで正確さは上がらないためです。経路を確かめたら、数値の意味はその資料で確認するのが近道です。

このメディアの運営元について

myHotelsメディアは、民泊予約システムを提供する myHotels が運営しています。 記事は自社サービスの利用を前提にせずに書いており、料金や条件は下のページで確認できます。

サービスの内容を見る オーナー登録に進む