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浜名湖の別荘を宿へ スズヒロが一棟貸し2棟目と「別荘活用サポート」を発表

株式会社スズヒロが、浜名湖・三ヶ日の一棟貸しヴィラ「UMI&mikkabi」を10月1日に開業し、別荘オーナー向けの活用支援も始めると発表しました。2つのプランの取り分、1棟目の実績、別荘が届出住宅になる条件を整理します。

浜名湖の別荘を宿へ スズヒロが一棟貸し2棟目と「別荘活用サポート」を発表 - myHotelsメディア

株式会社スズヒロ(静岡県浜松市)は2026年9月11日、静岡県浜松市浜名区三ヶ日町都筑に、犬と泊まれる一棟貸しヴィラ「UMI&mikkabi(ウミト ミッカビ)」を2026年10月1日に開業すると発表しました。浜名湖畔のリトリートブランド「UMI&」としては、舘山寺に続く2棟目にあたります。発表によれば、営業形態は住宅宿泊事業法にもとづく届出住宅です。

施設が1つ増えたという話であれば、民泊を運営する側が読む理由はあまりありません。この発表で目に留まるのは、開業とあわせて始めると書かれている別荘オーナー向けの支援事業のほうです。所有者は建物を手放さず、使わない日だけを貸して収入を得る、という形が示され、しかも売上の配分がプランごとに数字で書かれています。運営を代行する側の取り分が公表される例は、そう多くありません。

この記事では、発表に書かれている配分と実績、施設の条件を発表の表記のまま並べます。そのうえで、使っていない別荘を宿にするときに制度上どこが入口になるかを、観光庁の民泊制度ポータルサイトの記載で確かめます。当サイトが確認したのは発表ページと公的な資料の記載であり、施設や契約の中身を取材したものではありません。

発表の中心は施設ではなく「別荘オーナー向けの支援事業」

発表は、浜名湖周辺で使われないまま維持費だけがかかっている別荘の所有者に向けて、宿泊施設への転換・運営を代行する支援事業を開始する、と書いています。示されているプランは2つで、発表では「プラン(想定)」と表記されています。

プラン 発表に書かれた内容 オーナー取り分
ライト 集客・ブランディング・予約管理を代行。清掃やリネン、光熱費などの運営費用はオーナー負担 売上(税別)の50%〜60%
フルサポート 清掃・消耗品・光熱費を含め、運営全般をすべて代行 売上(税別)の20%〜30%

2つの違いは、率そのものよりも運営費用を誰が持つかにあります。ライトは清掃・リネン・光熱費をオーナーが負担したうえで売上の50%〜60%、フルサポートはそれらを含めて代行したうえで20%〜30%、という並びです。したがって、手取りの大小は率だけでは決まりません。清掃が1回あたりいくらか、光熱費が月にいくらかが分かって初めて比べられますが、その金額は発表に記載がありません。見積もる作業は所有者の側に残ります。

別荘活用サポートのライトとフルサポートについて、代行する範囲、オーナーが負担する費用、オーナーの取り分を左右に並べて対比した図
率が高いほうが有利とは限りません。ライトで負担する運営費用の金額は発表に書かれていないため、埋めるのは所有者の作業になります。 出典:株式会社スズヒロ プレスリリース(確認日 2026-09-14)

発表は、想定される1棟あたりの年間売上を1,300万〜1,500万円としています。ただしこれには「既存棟の実績にもとづく試算。稼働状況により変動します」という但し書きが付いています。同社の試算であって、実績でも相場でもありません。当サイトもこの金額を検証していません。あわせて、住宅宿泊事業法(民泊)の届出、消防法令適合、保健所対応といった行政手続きも実務ごと代行すると書かれています。どこまでを委託し、どこからが自分に残るのかは契約で決まる部分です。委託の範囲と、契約前に受け取る書面については民泊の運営代行にまとめています。

株式会社スズヒロのプレスリリース「「使われなくなった別荘」を、地域の宿へ。浜名湖・三ヶ日に一棟貸しヴィラ「UMI&mikkabi(ウミト ミッカビ)」を2026年10月1日オープン」のページのファーストビュー
引用キャプチャ この記事が扱っている発表そのもののページです。別荘オーナー向けの活用支援を同時に始めることと、支援プランごとのオーナー取り分が同じページに置かれています。 出典:「使われなくなった別荘」を、地域の宿へ。浜名湖・三ヶ日に一棟貸しヴィラ「UMI&mikkabi(ウミト ミッカビ)」を2026年10月1日オープン(株式会社スズヒロ プレスリリース)(確認日 2026-09-14/表示のファーストビュー)

発表が示した1棟分の実績と、そこから読み取れないもの

支援事業の裏づけとして、発表は1棟目「UMI&kanzanji」(浜松市西区舘山寺町)の数字を挙げています。この建物も、別荘としての利用が減っていたタイミングで所有者から相談が寄せられ、一棟貸しヴィラとして再生させた物件だと説明されています。

項目 発表の記載
期間 2025年12月から2026年9月までの10か月間
宿泊 97組・105泊
総売上 11,675,180円
平均客室単価 111,192円

読み方に注意する点が2つあります。ひとつは、これが1棟・10か月という限られた範囲について、同社が公表した値だということです。当サイトが帳簿や予約データを確かめたものではありません。もうひとつは、売上の数字だけでは事業として成り立っているかを判断できないことです。提供できた日数、清掃や光熱費といった運営費用、オーナーの手取りは、いずれも発表に書かれていません。泊数と期間から稼働率を出したくなりますが、分母にあたる提供可能日数が分からないため、当サイトでは計算していません。

1棟目の実績として発表に数字が載っている4項目と、発表に記載がないため埋められない4項目を左右に分けて並べた図
左は発表の記載、右は書かれていない項目です。右が空いているあいだは、左の数字だけで利益を語ることはできません。 出典:株式会社スズヒロ プレスリリース(確認日 2026-09-14)

自分の物件で似た検討をするなら、順序は逆になります。先に提供できる日数の上限を置き、定員と単価を掛けて売上の枠を出し、そこから費用を引く。枠の作り方は民泊の売上予測に、確定している費用から埋めていく手順は民泊の収支計画に置いてあります。他社が公表した1棟の実績は、自分で置いた枠が現実離れしていないかを見る材料にはなりますが、そのまま当てはめられる値ではありません。

発表が背景として引用した空き家の数字

発表は背景として、総務省「令和5年住宅・土地統計調査」の値を引用しています。全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・最高を更新したこと、このうち別荘などの「二次的住宅」は静岡県が38,500戸で、長野県に次いで全国2位であることが書かれています。これらは発表が引用している値です。総務省統計局の結果はPDFで公表されているため、原典の記載まで確かめたい場合は、住宅数概数集計の結果ページから資料に当たることになります。

この数字が示しているのは建物の量であって、そのうち何戸を宿泊施設に転用できるかではありません。転用できるかどうかは、次に見る設備と居住の要件、それに自治体の条例や管理規約で決まります。別荘が多い地域だから宿にしやすい、という読み方はできません。

別荘が「届出住宅」になれるかどうかは居住要件で決まる

ここからは発表の外側、制度の話です。使っていない別荘を宿にするという発想はもっともらしく聞こえますが、住宅宿泊事業の届出ができるかどうかは、その建物が法律でいう「住宅」の要件を満たすかどうかで決まります。観光庁の民泊制度ポータルサイトは、届出住宅に必要な設備として「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」の4つを挙げています。これらは必ずしも1棟の建物内に設けられている必要はないものの、届出の対象に含まれていない近隣の公衆浴場等で代替することはできない、と説明されています。ユニットバスのように一つの設備が複数の機能を持つ形は認められる、という記載もあります。

そのうえで居住要件として、次のいずれかに該当する家屋であることが求められます。別荘が関わるのは3つめの区分です。

居住要件の区分 観光庁のページに挙げられている具体例
現に人の生活の本拠として使用されている家屋 ―(このページに具体例の記載はありません)
入居者の募集が行われている家屋 ―(このページに具体例の記載はありません)
随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋 別荘等季節に応じて年数回程度利用している家屋/休日のみ生活しているセカンドハウス/転勤による一時的移居時の空き家(将来再居住予定)/相続物件で将来居住予定の空き家/別宅として使用している古民家

3つめの区分に別荘が例示されていることは、この発表の事業が成り立つ前提にあたります。ただし、例として挙げられているのは季節に応じて年数回程度利用している家屋であり、使われていることが前提になっています。何年も誰も立ち入っていない建物が、そのままこの区分に収まるかどうかは、個別の事情によります。該当するかどうかを自分で断定せず、届出先の窓口に確認してください。

制度を選んだあとに効いてくるのが提供日数です。観光庁は住宅宿泊事業法について「年間提供日数の上限は180日とし、地域の実情を反映する仕組みの創設」と説明しています。使わない日だけを貸すという形と上限の相性はよく見えますが、上限に達すればその年は提供できません。年間を通じた売上を前提に置くなら、この上限が自分の計画に効くかどうかを先に確かめることになります。数え方は民泊の180日ルールで扱っています。所有者が現地にいない運営になるなら、家主不在型として管理業務の委託義務がかかるかどうかの判定も必要です(家主居住型と家主不在型)。

施設そのものについて発表に書かれていること

開業する施設の記載も、表記のまま残しておきます。

項目 発表の記載
施設名 UMI&mikkabi(ウミト ミッカビ)
所在地 静岡県浜松市浜名区三ヶ日町都筑623-14
アクセス 東名高速 三ヶ日ICから車で約5分
開業日 2026年10月1日
定員 8名(1棟貸切)
延床面積 99.46㎡
チェックイン/チェックアウト 15:00/11:00
ペット 犬のみ同伴可(大型犬含め3頭まで/条件あり)
駐車場 普通車3台
料金 85,000円〜(4名まで)/5名目以降 1名11,000円 追加/犬1頭 5,500円
営業形態 住宅宿泊事業法にもとづく届出住宅

運営の面で目に留まるのは2点です。ひとつはセルフチェックインで、タブレットによる無人チェックインを導入すると書かれています。もうひとつは犬の同伴で、大型犬を含め3頭まで、1階リビングとBBQテラスのみ、条件あり、という限定の付き方です。動物を受け入れる宿では、退室後の清掃と次の受け入れまでにかかる手間が変わります。ただし、清掃の体制や所要時間、アレルギーへの対応について、発表に記載はありません。

この発表に記載がないこと

所有者として検討する立場から知りたくなる項目のうち、発表本文からは埋まらないものを、推測で補わずに並べます。

知りたくなる項目 この発表の記載
別荘活用サポートの契約期間・解約の条件 記載がありません
取り分の計算に使う「売上」の範囲(仲介手数料を引く前か後か) 記載がありません
転用にかかる改修費用と、その負担者 記載がありません
支援の対象となる建物の条件 浜名湖周辺の別荘所有者に向けたものと書かれていますが、条件の詳細は記載がありません
届出できるかどうかを判断する段取り 行政手続きを代行するとありますが、判断の順序は記載がありません
1棟目の運営費用と利益 記載がありません
今後の目標の裏づけ 今後3年間で浜名湖周辺の別荘10棟の宿泊施設化を目標とすると書かれていますが、達成の条件は記載がありません

このうち影響が大きいのは、取り分の計算に使う売上の範囲です。宿泊予約サイト経由の予約では、宿泊者が支払う金額から仲介手数料が引かれます。手数料を引く前と後のどちらを「売上」と呼ぶかで、同じ率でも手取りが変わります。発表にその区別は書かれていないため、実際に検討する段階では契約書で確かめる項目になります。なお発表には、1棟目のオーナーのコメントとして、使わなくなった家に光熱費と固定資産税がかかり続けていたこと、宿にしたあとは家族も使うようになったことが掲載されています。これは掲載された声であり、当サイトが取材したものではありません。

自分の別荘や空き物件で確かめられること

この発表を読んで、すぐに何かを決める必要はありません。それでも、順に確かめられることが3つあります。

ひとつめは、建物が要件を満たすかどうかです。台所・浴室・便所・洗面設備の4つがそろっているか、居住要件の3区分のどれに当たるかを、自分の建物で当てはめてみる。別荘は3つめの区分に例示されていますが、使われ方によって当てはまり方が変わります。物件側の条件を判定する順序は民泊の物件の選び方に並べてあります。

ふたつめは、委託の範囲を費用ごとに書き出すことです。今回のように率が示されている場合でも、率の裏側で誰がどの費用を持つかが分かれます。清掃、リネン、消耗品、光熱費、修繕。項目を縦に並べ、それぞれの負担者を埋めていくと、率どうしを比べられる形になります。埋まらない欄が残るなら、そこがまだ条件の決まっていない部分です。

みっつめは、提供できる日数を先に確かめることです。届出で行うのか、旅館業の許可を取るのかによって、1年に提供できる日数の上限が変わり、売上の枠はそこから先には伸びません。制度の選択と、地域の条例による上乗せの有無は、所管の窓口で確認してください。

この記事は、公表された発表の記載を整理したものであり、施設や事業者の評価・推奨ではありません。料金、プランの内容、取り分の条件は変更される可能性があります。制度上の取り扱いと、自分の物件で必要になる手続きの判断は、この記事ではなく、届出先の窓口に直接確認してください。

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