自治体・条例のニュース/ニュース

空き家の相談先が1日だけ1か所に ふくい空き家フェス2026に民泊活用のブース

全国空き家アドバイザー協議会福井県福井支部が2026年9月19日に「ふくい空き家フェス2026」を福井市で初開催します。8つの相談ブースの分かれ方と、民泊活用の相談へ行く前に自分で確かめられる住宅の要件を公式資料で整理します。

空き家の相談先が1日だけ1か所に ふくい空き家フェス2026に民泊活用のブース - myHotelsメディア

一般社団法人全国空き家アドバイザー協議会福井県福井支部は2026年9月11日、2026年9月19日(土)に福井市のラブリーパートナーエルパで「ふくい空き家フェス2026 in ラブリーパートナーエルパ」を開催すると発表しました。同支部が主催するイベントとしては初の開催で、福井市が後援します。入場は無料で、空き家の買取、賃貸、民泊活用、相続手続き、防犯、保険、資金調達といった分野の相談ブースが、1日だけ同じ会場に並びます。

空き家を持っている人にとって、宿泊施設として使うという選択は、いくつかある出口のひとつです。ただし実務では、売る・貸す・自分で使う・泊めるのどれを選ぶかで、次に会う相手が変わります。買取なら不動産事業者、名義の整理なら司法書士、宿泊なら宿泊事業の実務を知っている事業者、という具合です。相談先が分野ごとに分かれていること自体が、所有者の足を止める原因になります。今回のイベントは、その分かれている相手を1日だけ1か所へ集める形をとっています。

この記事では、告知と公式サイトに書かれている開催の内容を整理したうえで、民泊活用のブースへ行く前に自分で確かめておける項目を、観光庁が公表している資料にもとづいて並べます。当サイトは主催者・出展者と関係がなく、特定の事業者を推奨しません。相談の場で示される条件や費用は、この記事では扱えません。

開催は1日だけ、商業施設の2フロアを使います

発表とイベント公式サイトの記載を並べると、骨格は次のとおりです。

項目 発表・公式サイトの記載
名称 ふくい空き家フェス2026 in ラブリーパートナーエルパ
日時 2026年9月19日(土)10:00〜17:00
会場 ラブリーパートナーエルパ 1階イベントスペース、2階エルパホール(福井県福井市)
入場料 無料
主催 一般社団法人全国空き家アドバイザー協議会福井県福井支部
運営 ふくい空き家フェス実行委員会(株式会社FPEC/OOKABE GLASS株式会社まちづくり事業部)
後援 福井市
個別相談 公式サイトの相談受付フォームから事前に申し込み

会場が商業施設であることは、この種の相談会としては目を引く点です。役所の会議室ではなく買い物の動線上にあるため、用件を固めていなくても立ち寄れます。支部長のコメントも、売る、貸す、住む、活かす、どれが正解かは家ごとに違うとしたうえで、答えが決まっていない段階の方にこそ足を運んでほしい、という書き方になっています。相談の順序がまだ決まっていない人を想定した設計だと読めます。

個別相談は公式サイトの相談受付フォームから事前に申し込めます。発表は、当日の待ち時間を避けたい場合は事前の申し込みを勧めるとしており、ブースは変更・追加の可能性があるため最新の一覧は公式サイトで確認できると書き添えています。相談そのものはすべて無料です。

相談できる分野は8つに分かれています

2階エルパホールに開設される無料相談ブースは、テーマごとに出展者が決まっています。

相談テーマ(発表の表記) 出展者
空き家買取専門 まいほむ株式会社
空き家民泊活用相談 株式会社FPEC
賃貸相談 株式会社Circle Hub
相続手続き相談 司法書士法人CLEAR
空き家を守る・安心サポート(防犯) 株式会社アイビックス
空き家の「もしも」を守る火災保険相談 保険代理店ホロスプランニング
暮らしと住まいの見直し相談窓口 株式会社ALL CONNECT
金融相談ブース 北陸銀行

宿泊に関する相談を受けるのは1社です。発表では相談テーマが「空き家民泊活用相談」と表記されていますが、イベント公式サイトでは同じブースの案内が「民泊・簡易宿泊運営のご相談」となっており、無人運営、申請から運営まで丸っとお任せくださいと書かれています。この表記の差は、あとで効いてきます。民泊という言葉が、手続きの異なる複数の営業を同時に指すことがあるためです。

空き家の出口を売る・貸す・宿泊に使う・まだ決めていないの4つに分け、それぞれで主に関わる相談ブースの分野を対応させた図
同じ1軒でも、選ぶ出口によって会う相手が変わります。分野が8つに分かれているのは、所有者の側の選択肢がそれだけ分かれているためです。 出典:OOKABE GLASS株式会社 プレスリリースふくい空き家フェス2026 公式サイト(確認日 2026-09-16)

1階のステージでは、10時30分から福井県立大学の空き家デザイン部が登壇する若者パネルディスカッション、11時15分から福井県内で活動する動画クリエイターを招いた「DIYで空き家活用を楽しもう」が行われ、その後は出展各社のブース紹介動画が放映されます。抽選会も併設され、発表によれば1等は空き家を無人運営の宿泊施設として再生した施設の無料宿泊券です。実際に宿として再生された建物が景品になっている点は、このイベントが空き家の出口のひとつとして宿泊を置いていることを示しています。

「ふくい空き家フェス2026 in ラブリーパートナーエルパ」公式サイトのファーストビュー
引用キャプチャ このイベントの公式サイトです。開催の日時と会場、相談ブースの一覧、民泊・簡易宿泊運営の相談を受けるブースの案内が同じサイトに置かれています。 出典:ふくい空き家フェス2026 in ラブリーパートナーエルパ 公式サイト(確認日 2026-09-16/表示のファーストビュー)

背景に置かれている数字は、県の統計にさかのぼれます

発表は背景として、総務省の令和5年住宅・土地統計調査を引用し、福井県の空き家率は15.6%と過去最高になり、全国平均の13.8%を上回ったとしています。この数値は、福井県が自分のサイトで公表している調査結果でも確認できます。県のページには、空き家率は15.6%で、平成30年と比べ1.8ポイント増加した、全国は13.8%、と書かれています。

福井県の空き家率15.6%と全国の13.8%を横棒で並べ、福井県が平成30年と比べて1.8ポイント増加したことを添えた図
福井県の空き家率は全国平均を上回り、前回調査からも上がっています。 出典:令和5年住宅・土地統計調査(福井県 統計情報)(確認日 2026-09-16)

もうひとつ、発表は国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査を引用し、住まいが空き家になったきっかけの約6割が所有者の死亡であると述べています。当サイトは同調査の報道発表ページで、公表が令和7年8月29日であること、調査票を郵送する方法で令和6年11月下旬から12月にかけて実施されたこと、相続空き家の相続前の対策の有無などを新たに調査したことまでを確認しました。ただし、きっかけの内訳は添付のPDF資料にあり、当サイトはその該当箇所を確認できていません。そのためこの割合は、発表が引用している数値として扱い、当サイトが確認した数値としては扱いません。

数字の位置づけも整理しておきます。空き家率は住宅の総数に対する空き家の割合であり、宿泊に使える建物の数を示すものではありません。率が高い地域に候補が多いことまでは言えても、その1軒が届出できるかどうかは建物ごとの話です。地域の統計から読めることと読めないことの切り分けは民泊の立地の選び方で扱っています。

「民泊」と書かれていても、制度はひとつではありません

観光庁の民泊制度ポータルサイトは、民泊に法令上の明確な定義はないとしたうえで、住宅の全部又は一部を活用して旅行者等に宿泊サービスを提供することを指して民泊ということが一般的だと説明しています。そのうえで、民泊を実施するための制度として旅館業法、国家戦略特別区域法、住宅宿泊事業法の三つを挙げ、許認可の方式や営業日数の制限が制度ごとに異なることを示しています。

住宅宿泊事業法の側は、都道府県知事等への届出で始められる一方、建物が住宅であることが前提です。設備要件は台所、浴室、便所、洗面設備で、居住要件は、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋のいずれかを満たすこととされています。年間提供日数の上限は180日で、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までを1年間として算定します。

旅館業法の側は、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を対象とし、営業の種別としてホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業が挙げられています。同ポータルサイトは、有償で繰り返し住宅を宿泊所として提供する場合には簡易宿所営業の許可を取得することが一般的だと説明しており、許可の申請先は施設の所在地を管轄する保健所だとしています。

確かめる点 住宅宿泊事業法 旅館業法(簡易宿所営業)
手続き 都道府県知事等への届出 許可。申請先は施設所在地を管轄する保健所
建物の前提 住宅であること(設備要件と居住要件) 営業の種別ごとの基準
年間提供日数 180日が上限 上限の記載は同ポータルサイトにありません
主な所管 国土交通省・厚生労働省・観光庁の共管 厚生労働省

空き家を持ち込む側から見ると、この違いは相談のいちばん最初に確かめる価値があります。届出で足りるのか、許可が要るのかで、用意する書類も、工事の要否も、費用の規模も変わるからです。二つの制度の比べ方は簡易宿所と民泊の違いに、日数の上限がどう効くかは民泊の180日ルールにまとめています。

「無人運営」という案内は、委託の義務と結びついています

公式サイトのブース案内にある無人運営という言葉は、制度の側では家主不在型の話につながります。観光庁の説明では、家主居住型の場合に衛生確保の措置、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付け、標識の掲示といった措置を事業者自身が行うのに対し、家主不在型の場合は、標識の掲示を除く措置を住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられています。

つまり、無人で回す前提で相談するのであれば、相手が住宅宿泊管理業者の登録を持っているのか、それとも登録を受けた事業者を紹介する立場なのかが確認項目になります。イベントの告知にも公式サイトにも、出展者の登録番号は書かれていません。ここは当日その場で聞く項目です。委託契約をどの時点で結ぶかは開業の段取りにも効いてくるため、管理委託契約を結ぶ時期家主居住型と家主不在型を先に読んでおくと、質問が具体的になります。

相談へ持って行くと話が早い四つの情報

相談会は時間が限られます。手ぶらで行っても一般的な説明で終わりやすいので、自分の建物についての事実を持って行くほうが早く進みます。四つ挙げます。

ひとつめは、設備がそろっているかどうかです。住宅宿泊事業法でいう住宅の設備要件は台所、浴室、便所、洗面設備の四つで、欠けているものがあれば工事の話から始まります。長く使われていない家では、設備はあっても給排水や給湯が生きていないことがあります。あるかないかと、いま使える状態かどうかを分けてメモしておくと、費用の相談につながります。

ふたつめは、いまその家がどう使われているかです。居住要件は三つのいずれかを満たすことを求めており、誰も住んでおらず、募集もしておらず、所有者が立ち寄ってもいない状態はそのままでは当てはまりません。どの状態に位置づけるのかは建物ごとの事情によるため、当サイトは可否を断定しません。相談ではここが最初の分岐になります。最終的な当てはめの判断は、所在地を所管する窓口で確認してください。

みっつめは、所有と名義の状態です。相続が済んでいない、共有者が複数いる、といった事情があると、契約できる人が誰かという話が先に立ちます。このイベントには司法書士の相談ブースがあり、同じ日に続けて聞けます。分野をまたいで相談できることの実益は、この順序のところに出ます。

よっつめは、建物の基礎資料です。図面、床面積、建てられた時期、接道の状況といった情報は、許可の道を選ぶ場合に構造や設備の基準の話へ直結します。物件の段階で何を見るかは民泊の物件の選び方に整理しました。

この告知に書かれていないこと

宿泊への活用を考えている人が知りたくなる項目のうち、告知にも公式サイトにも見当たらないものを、埋めずに並べます。

知りたくなる項目 告知・公式サイトでの扱い
個別相談の事前申し込みの締切 記載がありません
相談後に発生する費用 相談が無料であることは書かれていますが、その後は記載がありません
民泊として活用できるかどうかの判断基準 記載がありません
出展者の住宅宿泊管理業者としての登録番号 記載がありません
対応できる地域の範囲 記載がありません
各ブースの相談時間や受け入れ組数 記載がありません

埋まらない項目が多いのは、これが開催の告知であって、サービスの条件を示す資料ではないためです。当サイトも、公表されていない項目を推測で埋めません。事前に知っておきたい項目があるなら、申し込みフォームの備考に書いておくほうが確実です。

福井まで行かない人にも使える順序

この開催から持ち帰れることは三つあります。

ひとつめは、空き家の相談は分野で分かれているという事実です。買取、賃貸、宿泊、相続、防犯、保険、資金と分かれている以上、自分が今どの段階にいるのかを言えないと、どの窓口でも一般論から始まります。逆にいえば、出口を仮に決めてから相談すると、一度で進みます。

ふたつめは、宿泊を選ぶなら制度の名前を先に確かめることです。同じ「民泊活用」という案内でも、届出で行う住宅宿泊事業なのか、許可を取る簡易宿所営業なのかで、その先の話がまるごと変わります。相談の冒頭でどちらを想定しているかを聞くだけで、噛み合い方が変わります。

みっつめは、建物の事実を先に集めておくことです。設備、いまの使われ方、名義、図面。この四つは誰に相談するとしても必ず聞かれます。相談会がない地域でも、開業にあたって相談する先は決まっており、順序は民泊の開業で相談する先にまとめてあります。

なお、このイベントの内容は変更・追加の可能性があると告知されています。参加を検討する場合は公式サイトで最新の情報を確認してください。制度上の取り扱いと、自分の物件で必要になる手続きの判断は、所管の窓口に直接確認してください。

このメディアの運営元について

myHotelsメディアは、民泊予約システムを提供する myHotels が運営しています。 記事は自社サービスの利用を前提にせずに書いており、料金や条件は下のページで確認できます。

サービスの内容を見る オーナー登録に進む