OTA掲載方法/解説

民泊のOTA掲載方法|載せる前に確定させる定員・日数・届出番号

民泊をOTAへ載せる前に確定させるのは、定員・予約を受けられる日数・届出番号の3つです。居室の床面積から定員の上限を出す手順、180日が届出住宅ごとに合算されること、説明が求められる配慮事項を観光庁の資料で整理します。

宿泊予約サイト(OTA)へ民泊を載せる作業そのものは、申し込みと入力です。それでも手が止まる場所はだいたい同じで、原因も同じです。入力画面を開いた時点では、欄に入れる数字がまだ確定していないからです。定員を何人にするか、カレンダーをどこまで開けるか、番号をどこから持ってくるか。これらは画面の前で決めるものではなく、画面を開く前に別の資料で決まっています。

結論から書きます。掲載フォームの欄は3つに分かれます。制度が上限を決めている欄、自分が決める欄、相手が確認する欄です。先に確定させるのは1つ目で、中身は定員、予約を受けられる日数、届出番号の3つです。この3つは希望や方針では動かせません。残りの2つは、確定させる場所が自分の側か相手の側かという違いです。

この記事では、どの仲介サイトでも共通して求められる情報だけを扱います。そのサイトに載せられるかどうかという可否の判定は扱いません。掲載を委託できる相手が2種類に限られていることはOTAとは、サイトごとの入口と参画条件の確かめ方はじゃらんに民泊を掲載する前に確かめる3つ、Agodaに民泊を掲載する、Expediaに民泊を掲載するにあります。手数料の公表状況は民泊のOTA比較です。

掲載フォームの欄は、3つの出どころに分かれる

入力を始める前に、欄を性質で分けておくと作業が止まりません。分け方は「誰が、どこで決めたか」です。

OTAの掲載フォームの欄を、制度が上限を決める欄・自分が決める欄・相手が確認する欄の3列に分けた図。制度が決める欄は定員と予約を受けられる日数と届出番号、自分が決める欄は宿泊料金とキャンセルの条件と最低泊数、相手が確認する欄は届出番号の確認と標識の写しと委託できる相手の2種類
左の列だけは、入力の前に別の資料で確定しています。右の列は相手の義務として確認される項目です。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「事業者の業務[1]」、同「よくあるご質問」、同「住宅宿泊仲介業者の業務」(確認日 2026-10-07)

左の列を先に埋める理由は単純です。ここを埋め違えると、あとから直すのが掲載情報だけで済まなくなります。定員を多めに入れて予約が入れば、受け入れられない人数の予約を抱えます。カレンダーを年間ぶん開ければ、上限を超えた日に予約が入ります。どちらも、掲載を取り下げて直すより前に、宿泊者との約束が先に成立してしまいます。

真ん中の列は自由に見えますが、全部が自由ではありません。宿泊料金やキャンセルの条件には公的な基準を確認できませんでしたが、宿泊者へ説明することが求められている事項は、内容のほうが決まっています。ハウスルールの欄に何を書くかは、あとの節で扱います。

定員の上限は、居室の床面積が決めている

定員の欄は、物件の寝具の数や部屋の広さの感覚で決めるものではありません。観光庁は、宿泊者の人数に制限があるかという質問に対し、「宿泊者1人あたり床面積3.3㎡以上を確保することが求められますので、宿泊させることが出来る人数は、住宅の規模によって異なります」と答えています。全国共通の人数は示されていません。自分の物件の面積から出すほかありません。

面積の測り方も決まっています。観光庁は「居室の宿泊者1人当たりの床面積は、3.3平方メートル以上確保する必要があります」としたうえで、「居室の床面積は、宿泊者が占有する部分の面積を指します(宿泊者の占有ではない台所、浴室、便所、洗面所、廊下は含みません。また、押入れ、床の間は含みません)」と説明し、「算定は内寸面積で行います」と書いています。

床面積の算定 対象になる部分
含める 宿泊者が占有する部分の面積。算定は内寸面積で行う
含めない 宿泊者の占有ではない台所、浴室、便所、洗面所、廊下
含めない 押入れ、床の間

ここで効いてくるのが「内寸」という指定です。図面に書かれた面積は壁の中心で引いた線から出していることがあり、内寸で測り直すと、同じ部屋でも面積が小さくなります。賃貸の募集図面や管理規約の数字をそのまま使うと、定員が1人多く出ることがあります。測ってから入力する順番を崩さないでください。

定員の上限を出す3工程の図。宿泊者が占有する部分の床面積を内寸面積で測り、1人あたり3.3平方メートルで割ると、宿泊させることができる人数の上限が出る。仮定の計算例として9.9平方メートルで3人、16.5平方メートルで5人を示している
測る、割る、入力するの順です。下段の2つは仕組みを示すための仮定の数字で、実在する物件の面積ではありません。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「事業者の業務[1]」、同「よくあるご質問」(確認日 2026-10-07)

同じページには、寝具についての記載もあります。「寝具のシーツ、カバー等直接人に接触するものについては、宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える必要があります」というもので、定員を増やすと、入れ替わりごとの作業量もそのぶん増えます。上限まで入力できる物件でも、上限まで入れるかどうかは別の判断です。必要な枚数の目安を示した資料は確認できなかったため、枚数はご自分の物件で数えてください。

観光庁の民泊制度ポータルサイト「事業者の業務」のページのファーストビュー
引用キャプチャ 宿泊者の衛生の確保、安全の確保、外国語での案内、宿泊者名簿など、届出後に続く業務が並んでいる公式ページです。居室の床面積を宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上確保すること、算定を内寸面積で行うことも、このページに書かれています。 出典:事業者の業務[1](観光庁 民泊制度ポータルサイト「minpaku」)(確認日 2026-09-21/表示のファーストビュー)

カレンダーに開けられる日数は、掲載先を増やしても増えない

次の欄はカレンダーです。ここで問題になるのは「何日開けるか」ではなく、開けた日数がどの単位で数えられるかです。

観光庁は住宅宿泊事業を、人を宿泊させる日数が180日を超えないものと説明し、期間の定義を「1年間 = 毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで」「1日 = 正午から翌日の正午まで」と示しています。よくあるご質問でも「4月1日正午から翌年の4月1日正午までの1年間に人を宿泊させる日数は180日までと決まっているものです。1泊を1日としてカウントして算定します」と書かれています。暦の年でも、事業年度でもありません。

掲載の作業に直接効いてくるのは、算定の単位です。観光庁は「年間の営業日数上限180日の算出は、届出住宅ごとに適用されます」としています。つまり上限は物件に付いていて、掲載先には付いていません。3つのサイトに載せても、それぞれ180日ぶん開けられるわけではありません。カレンダーを3つ持つことになるだけで、合計の上限は1つです。

複数の掲載先のカレンダーが届出住宅1件に集約され、年間の日数上限が合算されることを示した関係図。1年は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までで、宿泊させられるのは180日まで。1日は正午から翌日の正午までで、複数の住戸や複数棟が一つの届出住宅なら1室でも宿泊させた日が1日になる
上段の掲載先がいくつあっても、数える単位は中央の届出住宅1件です。帯の塗りは1年のうち180日にあたる長さを示しています。 出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」、同「よくあるご質問」(確認日 2026-10-07)

同じ質問には、複数の住戸をまとめて届け出た場合の扱いも書かれています。「複数の住戸や複数棟の建物が一つの届出住宅である場合で、これらのうち1室にでも人を宿泊させた場合は1日と算出され、複数の住戸や複数棟の建物全体で、180日までしか人を宿泊させることはできません」。部屋を分けて別々に売っても、日数は1つの数え方に戻ります。掲載を増やす前に、どの範囲が一つの届出住宅なのかを確認してください。数え方そのものと迷いやすい場面は民泊の180日ルールで扱っています。複数の経路を同時に開くときの在庫の持ち方はOTAと自社予約の併用です。

「周辺への配慮」と外国語の案内は、書く内容が決まっている

ハウスルールや施設の案内の欄は、自由記入のように見えます。ところがこの欄には、説明することが求められている事項が混ざっています。

観光庁は、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項として、「騒音の防止のために配慮すべき事項」「ごみの処理に関し配慮すべき事項」「火災の防止のために配慮すべき事項」を挙げています。外国人観光旅客である宿泊者については、「外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること」「外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報を提供すること」と、災害時の通報に関する案内が示されています。宿泊者の安全の確保では、非常用照明器具の設置や避難経路の表示が挙げられています。

ここで注意が1つあります。汎用の文例は使えません。説明が求められているのは届出住宅とその周辺の生活環境に応じた内容で、ごみの出し方は自治体ごとに違い、騒音が問題になる時間帯や方向も物件ごとに違います。当サイトでも文例は載せていません。書く項目の立て方は民泊のハウスルールにまとめています。

掲載フォームの側では、これらを書く場所が分かれていることがあります。設備の使用方法は施設情報、ごみと騒音はハウスルール、交通手段はアクセスの欄になりがちです。欄が分かれても、説明すべき事項が減るわけではありません。入力を始める前に、3つの配慮事項と外国語での案内を手元に並べ、どの欄へ入れるかを決めておくと、途中で止まりません。

届出番号は、頼む側から渡す

届出番号の欄は、空欄のままでも申し込みの画面は進むことがあります。それでも掲載は始まりません。番号の確認は、頼まれた側の義務になっているからです。

観光庁は住宅宿泊仲介業者の禁止行為として、「届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為とは、住宅宿泊事業者からの届出番号を確認せずに仲介サイトに掲載することです」と説明しています。頼む側がすることも示されています。「都道府県等から送付された届出番号等の記載されたメールの情報又は標識のコピーに記載された情報を正確に通知することが求められます」というものです。

渡すものは2つだけです。届出番号が書かれた通知と、標識の写しです。届出が済んでいれば、どちらも探しに行かずに手元にあります。逆に言えば、この2つが揃っていない段階で掲載の申し込みを始めても、相手の確認作業が完了せず、掲載の開始だけが保留になります。委託先として適格な相手かどうかの確かめ方はOTAとはにあります。掲載を頼む行為そのものが法律上の委託にあたることを、番号を渡す前に押さえておいてください。

掲載したあと、入力した数字は報告に戻ってくる

最後に、入力した内容が掲載後にどこへ戻ってくるかを押さえます。観光庁は「毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の15日までに、それぞれの月の前2月における」事項を知事に報告する必要があるとしており、報告する項目は届出住宅に人を宿泊させた日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別の宿泊者数の内訳です。

並べると分かります。報告する4項目は、掲載フォームで決めた定員とカレンダーの結果そのものです。延べ宿泊者数は人数と泊数の積み上げで、日数は開けたカレンダーの結果です。掲載先が複数あっても、報告は届出住宅ごとに1本です。経路別に分かれた予約を、物件単位で足し直す作業が偶数月ごとに発生します。

掲載を始める前に決めておくと楽になるのは、どこで数字を合わせるかです。サイトごとの管理画面を偶数月に見比べるのか、手元の表に集めるのか。報告の項目は変わらないので、集め方だけ先に決めておけば済みます。報告の仕組みと国籍の区分は民泊の宿泊者数は何を数えた数字か、宿泊者名簿の記載事項と保存は民泊の宿泊者名簿で扱っています。標識についても、観光庁は「住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、下図のような標識を掲示する必要があります」と書いています。これは掲載先の数とは関係なく、届出住宅ごとの作業です。

入力の前に確定させる順番

ここまでを順番に並べ直します。画面を開く前に片づける作業と、画面でしかできない作業を分けるのが目的です。

順番 確定させるもの どこで確定するか
1 定員(最大宿泊人数) 居室の内寸面積を測り、宿泊者1人当たり3.3㎡以上で割る
2 カレンダーを開ける範囲 4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間で、届出住宅ごとに180日まで
3 届出番号と標識の写し 都道府県等から送付された通知と、掲示している標識
4 周辺への配慮と外国語の案内 騒音・ごみ・火災への配慮事項と、設備の使用方法・交通手段の案内
5 料金・キャンセル・最低泊数 自分で決める。金額の基準を示した公的な資料は確認できなかった
6 報告の数字を集める場所 偶数月の15日までに報告する4項目を、届出住宅ごとに足し直す方法

1から4までは、掲載先が何社になっても同じ答えになります。だから1社目の申し込みのときに確定させておけば、2社目からは転記で済みます。逆に、1社目を画面の流れに任せて埋めてしまうと、2社目で数字が合わず、どちらが正しいのか分からなくなります。

掲載方法を調べるとき、探したくなるのは申し込みボタンの場所です。実際に時間がかかるのはその手前で、しかもその手前は公表資料で完結します。面積を測る、期間を数える、通知を開く。この3つを先に済ませてから画面を開いてください。手数料の考え方や消費税の扱いはOTA手数料と消費税で扱っています。

このメディアの運営元について

myHotelsメディアは、民泊予約システムを提供する myHotels が運営しています。 記事は自社サービスの利用を前提にせずに書いており、料金や条件は下のページで確認できます。

サービスの内容を見る オーナー登録に進む