楽天トラベル/解説

楽天トラベルに民泊は直接載せられない|経路と手数料3%の読み方

楽天トラベルの新規参画は旅館業営業許可証がある施設に限られ、民泊新法の施設は参画できないと公式に書かれています。民泊の経路になるRakuten Oyadoの手数料3%と登録手順、楽天トラベルへ配信される条件を公表資料だけで整理します。

楽天トラベルに自分の民泊を載せたい、という調べものは、他の宿泊予約サイトを調べたときとは違う形で終わります。載せられるかどうかが、公式のページに先に書かれているからです。問い合わせの返事を待つ前に、答えのほうが出ています。

結論から書きます。楽天トラベルの「新規参画のご案内」は、参画できる施設を「『旅館業法』に基づき『旅館業営業許可証』取得の施設様がご参画いただけます」と定め、続けて「ただし、ラブホテル、民泊新法(住宅宿泊事業法)の施設様はご参画いただけません」と書いています。住宅宿泊事業法の届出で営業している施設は、この入口からは入れません。そして同じページが、行き先まで示しています。「住宅宿泊事業法、特区民泊の施設様は同じ楽天グループ運営サイトの『Rakuten Oyado』でご登録を行っております」。

だから民泊の側で調べることは、可否ではありません。案内されている1本の経路で、何が決まっていて、何が決まっていないかです。この記事では、Rakuten Oyado が公表している費用と登録の手順、楽天トラベルの画面にも出るための条件、そして契約の相手になる法人の確かめ方を、楽天グループ・楽天ステイ株式会社の公式ページと観光庁の公表資料だけで並べます。

先に、この記事で確認できなかったことを2つ挙げます。ひとつ、楽天トラベル側の参画で施設が払う手数料の率、初期費用、月額費用の記載を確認できませんでした。参画のご案内にあるのは「リーズナブルな手数料」という表現までです。ふたつ、楽天トラベル側で用意する書類の一覧も、このページには載っていません。以下で扱う3%という数字は Rakuten Oyado の公表値で、楽天トラベルの参画条件へ当てはめられる値ではありません。仲介サイト全体の位置づけはOTAとは、サイトをまたいで共通に求められる掲載情報は民泊のOTA掲載方法にあります。

参画のご案内に、できないことが先に書かれている

ふつう、掲載の可否は問い合わせて確かめます。参画の条件がサイト上に無いか、あっても施設区分の呼び名が制度の言葉と一致しないため、自分がどこに入るか判断できないからです。じゃらんに民泊を掲載する前に確かめる3つでも、確かめる順番のほうを扱いました。

楽天トラベルは、ここが違います。参画のご案内には、参画できる施設タイプとして、ホテル、旅館、民宿・ペンション、ゲストハウス、古民家一棟貸しが挙げられています。そのうえで、旅館業営業許可証の取得という条件が先に置かれています。つまり施設の見た目や建物の種類ではなく、何の許可で宿泊料を受けているかで線が引かれています。一棟貸しの古民家が挙がっているのは、建物が民泊に見えるかどうかが基準ではないことの表れです。

観光庁は、民泊と呼ばれるものを3つの枠組みで整理しています。旅館業法(許可)、国家戦略特区法(認定)、住宅宿泊事業法(届出)です。この3つのうち、楽天トラベルの入口が開いているのは1つ目だけです。手続きの名前の違いは民泊の許可、旅館業の許可と並べたときの差は簡易宿所と民泊の違い、特区民泊の位置づけは特区民泊とはで扱っています。

読み方として大事なのは、これが断りの文言ではないという点です。同じ文のすぐ後に、代わりの登録先が書かれています。可否の判定と、次に行く場所が、同じ1ページに同居しています。問い合わせを1往復させる必要がないのはここだけで、他の仲介サイトと決定的に違う点です。

楽天トラベル「新しいお客様を増やしませんか?新規参画のご案内」のページのファーストビュー
引用キャプチャ この節が引いている公式ページです。参画できる施設タイプと、旅館業営業許可証の取得という条件、ラブホテルと民泊新法の施設は参画できないこと、住宅宿泊事業法と特区民泊の施設へRakuten Oyadoでの登録を案内する一文が、同じページに置かれています。 出典:新しいお客様を増やしませんか?新規参画のご案内(楽天トラベル)(確認日 2026-10-07/表示のファーストビュー)

迂回路ではなく、同じグループの別サイト

案内されている Rakuten Oyado は、楽天トラベルの外にある別会社のサービスではありません。自社ページには「Rakuten Oyadoは楽天グループ株式会社が運営する宿泊・民泊予約サイトです」と書かれています。楽天トラベルを運営しているのも楽天グループ株式会社です。運営している法人は同じで、サイトが2つある形です。

扱う施設の範囲も公表されています。Rakuten Oyado は「ホテル・旅館営業の施設に加え、住宅宿泊事業法(民泊新法)/特区民泊の施設にも完全対応。」としています。楽天トラベルが旅館業の許可だけを入口にしているのに対し、こちらは3つの枠組みのすべてを受けます。したがって旅館業の許可で営業している施設は、どちらの入口も選べます。選べないのは民泊の側だけです。実際、Rakuten Oyado の説明では「ホテル、旅館を含む旅館業営業の施設は全体の7割以上を占めています」とされており、民泊専用のサイトではないことも明示されています。

宿泊料を受けている根拠によって、楽天トラベルへ直接参画できる経路とRakuten Oyadoへ登録する経路に分かれることを示した分岐図。旅館業営業許可証がある施設は楽天トラベルへ直接参画でき、住宅宿泊事業法の届出と特区民泊の施設は参画できないと明記されているためRakuten Oyadoへ登録し、インスタントブッキング対応施設のみ楽天トラベルへも配信される
左の枝は旅館業の許可で入る経路、右の枝が民泊の経路です。右の枝は、登録のあとにもう一段の条件が付きます。 出典:楽天トラベル「新規参画のご案内」、Rakuten Oyado「宿泊施設の掲載」(確認日 2026-10-07)

サイト名については、1点だけ注意が要ります。このサービスのURLは vacation-stay.jp のままで、以前の名称である VACATION STAY で検索して辿り着くこともあります。ブランド名と運営の体制は、調べた時期によって書かれていることが変わります。後の節で扱いますが、契約の相手を確かめるときに名前で照合すると、ここがそのまま落とし穴になります。

楽天トラベルの画面に出るには、条件がもうひとつある

Rakuten Oyado に登録すると、販売の面がもう1つ増えます。自社ページには「Rakuten Oyadoに施設を登録、掲載するだけで楽天トラベルにも施設を掲載することができます。」と書かれています。参画できないと言われた画面に、別の経路から出ることになります。

ただし、ここに条件が付きます。同じページが「楽天トラベルへの施設・在庫の配信は『インスタントブッキング(即時予約確定)』対応施設のみとなります。」としています。登録しただけでは楽天トラベルへ出ません。予約を1件ずつ承認する運び方を選んでいる施設は、Rakuten Oyado の中には出ても、楽天トラベルの検索結果には出ないという状態になります。

この条件は、設定の項目というより運び方の選択です。即時予約確定は、宿泊者が押した時点で予約が成立します。承認の段を置かないので、在庫のカレンダーと料金が、押された瞬間の正しさを持っていなければなりません。届出住宅には年間提供日数180日以内という枠があり、残り日数を超える予約を自動で受けてしまうと、後から断るほうに手間が移ります。日数の数え方と起算は民泊の180日で扱っています。

確かめる項目 Rakuten Oyado での掲載 楽天トラベルへの配信
住宅宿泊事業法の届出で営業する施設 対応すると公表されている 即時予約確定に対応していれば配信される
特区民泊の認定で営業する施設 対応すると公表されている 同じく即時予約確定に対応していれば配信される
旅館業の許可で営業する施設 対応すると公表されている 楽天トラベルへ直接参画する経路も選べる
予約を1件ずつ承認する運び方 掲載そのものの条件としての記載はありません 配信の対象外になります

表の右下が、この節のいちばん効くところです。楽天トラベルへ出ることを目的に登録するなら、承認を挟まない運び方に先に寄せておく必要があります。登録を終えてから気づくと、販売面が1つのまま運用が始まります。仲介に出す経路と自分で受ける経路の組み合わせはOTAと自社予約の併用で扱っています。

公表されているのは率ではなく、引き算の形

費用については、Rakuten Oyado の側に具体的な記載があります。民泊を扱う仲介サイトでは、施設が払う料率が非公表のことが多く、民泊のOTA比較でも料率の安い順に並べられないと書きました。ここは例外です。

公表されているのは3つです。初期費用・掲載料が0円で、Web登録により即座に利用開始できること。費用は予約発生時のみ一律3%であること。そして「どこからの予約でも販売手数料は3%だけ」とされていること。率そのものに加えて、引き算した後の金額まで書かれています。「料金を10,000円に設定した場合、販売手数料として設定料金の3%を差し引いた9,700円をお振込」という例が置かれ、クレジットカード決済手数料は別途かからないとされています。

Rakuten Oyadoで公表されている費用を数値カードで示した図。初期費用・掲載料は0円、販売手数料は予約発生時のみ一律3パーセント、設定料金10,000円のときの振込額は9,700円。楽天トラベル側では手数料の率と初期費用と月額費用の記載を確認できなかったことも併記
3枚のカードはすべて Rakuten Oyado の公表値です。下の濃い帯は、楽天トラベル側で記載を確認できなかった3項目を示しています。 出典:Rakuten Oyado「宿泊施設の掲載」、楽天トラベル「新規参画のご案内」(確認日 2026-10-07)

収支へ入れるときに注意する点が2つあります。ひとつは、率がかかるのは設定料金に対してだということです。公表されている例は、設定料金を10,000円にしたときに、設定料金の3%を差し引いた9,700円を振り込むという形です。宿泊料のほかに付帯分を乗せている場合、どこまでが設定料金なのかは自分の設定画面で確かめることになります。もうひとつは、この率が楽天トラベルへ配信された予約にも同じく適用されるのかどうかです。「どこからの予約でも販売手数料は3%だけ」という書き方はそう読めますが、配信先を名指しした記載ではありません。収支の前提にするなら、ここは窓口で1行もらってください。

手数料に消費税がどうかかるかは、仲介の相手が国内の事業者か国外の事業者かで扱いが分かれます。考え方はOTA手数料と消費税にまとめています。

契約の相手が誰かは、サイト名では決まらない

ここから法令の側に移ります。住宅宿泊事業法の届出で営業している場合、掲載を頼む行為は集客の工夫ではなく、法律が名前を付けている行為になります。観光庁は、住宅宿泊事業者が仲介を委託できる相手を2種類に限っています。住宅宿泊事業法上の登録を受けた住宅宿泊仲介業者と、旅行業法上の登録を受けた旅行業者です。

登録を受けていない者へ委託した場合は「住宅宿泊事業法違反として業務改善命令等の対象になるとともに、50万円以下の罰金(法第75条)等が科されることがあります」とされています。読み落としやすいのは、この罰則が向く先です。咎められるのは委託した事業者の側です。頼む立場であっても、相手が適格かどうかを確かめる作業は代わってもらえません。

そこで観光庁が公開しているリストを引きます。ここで、名前が思ったとおりに並んでいません。

確かめる先 載っているか 書かれている内容
住宅宿泊仲介業者のリスト(66件・令和8年6月22日時点) 楽天の名前を確認できませんでした 住宅宿泊事業法の登録を受けた者の一覧です
民泊を取り扱う旅行業者のリスト(10件・令和7年3月末時点) 楽天ステイ(株)が載っています 観光庁長官登録 第1種 第2137号として記載されています
楽天ステイ株式会社の会社概要 記載があります 観光庁長官登録旅行業 第2137号(有効期限は2028年5月9日)
Rakuten Oyado の運営者表記 記載があります 楽天グループ株式会社が運営すると書かれています

3行目と4行目で法人名が一致していません。旅行業の登録を示しているのは楽天ステイ株式会社で、Rakuten Oyado の運営者として書かれているのは楽天グループ株式会社です。民泊を取り扱う旅行業者のリストが令和7年3月末時点で止まっている一方、サービス側の表記は更新されています。この食い違いを、こちら側で推し量って埋めてはいけません。どちらが契約の相手になるのかは、登録のときに示される規約と契約書面に出てくる法人名で決まります。

やることは2つに縮みます。ひとつ、契約の相手になる法人名を書面で確かめること。ふたつ、その法人が住宅宿泊仲介業者または旅行業者として登録を受けているかを確かめることです。リストに名前が無いことは登録が無いことを意味しません。民泊を取り扱う旅行業者のリストには「本リストに名前のない旅行業者においても、民泊物件を取り扱うことは可能です。」という注記が置かれています。確かめるのはリストへの掲載ではなく、登録の有無のほうです。同じ形の照合を Expedia について行ったものがExpediaに民泊を掲載するにあります。

手順の段数より、書面を出す段が先に効く

入口が決まったら手順です。両方の入口が、段を分けて公表しています。楽天トラベルは3段で、お申込フォームからのお申込み(メールで資料請求のあと、資料が送られてくる)、お申込フォーム内容の確認(内容確認後、審査を経てシステム登録)、管理画面でプラン作成・在庫・料金登録で掲載販売開始、という順です。Rakuten Oyado は5段で、新規利用登録、電話番号認証、施設情報と業法に応じた許可/届出書面の登録、料金・在庫の設定、公開設定です。

楽天トラベルの新規参画が3段、Rakuten Oyadoの登録が5段という公表されている手順を並べた工程比較図。楽天トラベルは資料請求と申込、申込内容の確認と審査とシステム登録、管理画面でのプランと在庫と料金の登録の3段で、Rakuten Oyadoは新規利用登録、電話番号認証、施設情報と許可届出書面の登録、料金と在庫の設定、公開設定の5段
左は旅館業の許可で入る3段、右が民泊も入れる5段です。下の帯は、段の数ではなく書面を出す段に注目する理由を示しています。 出典:楽天トラベル「新規参画のご案内」、Rakuten Oyado「宿泊施設の掲載」(確認日 2026-10-07)

段の数の違いは、作業量の違いではありません。効いてくるのは3段目です。Rakuten Oyado は「全ての公開施設で許認可審査を実施」とし、登録の段で「業法に応じた許可/届出書面を登録します」と求めています。書面が手元にそろっていない状態で登録を始めると、3段目で止まります。届出住宅であれば、都道府県等から通知された届出番号と、掲示している標識の情報が、ここで要る材料になります。

逆に、ここで公表されていないことも押さえておきます。審査にかかる日数の記載はありません。登録の段を終えてから公開設定に進めるまでの期間を、収支の開始月の前提にはできません。開業の段取り全体のなかでどこに置くかは、民泊の開業の流れの時間軸と合わせて考えることになります。

入口がどちらでも、日数と名簿は自分の側に残る

最後に、経路を選んでも動かない範囲を押さえます。観光庁は、住宅宿泊事業者を「届出」、住宅宿泊管理業者と住宅宿泊仲介業者を「登録」として区別しています。手続きの名前が違うのは、課される義務が違うからです。掲載先をどこにしても、届出をしたのは自分であり、届出に伴う義務の相手は宿泊者と周辺の地域です。

年間提供日数180日以内という枠も、販売面の数とは無関係に効きます。楽天トラベルにも配信されて経路が2つに見えても、数えるのは届出住宅ごとの提供日数の合計です。即時予約確定に対応させたのであれば、カレンダーを閉じる作業は自分の側に寄ります。宿泊者名簿の記載事項と保存は民泊の宿泊者名簿、届出後に続く業務の全体像は住宅宿泊事業者とはにまとめています。

ここまでをひとつに縮めると、楽天で確かめる順番はこうなります。自分の制度区分で入口が決まる。入口は公表されているので問い合わせない。登録の前に許可/届出書面をそろえる。契約の相手になる法人名を書面で確かめる。そのうえで、楽天トラベルの画面にも出したいなら、即時予約確定へ対応させるかどうかを先に決めます。

覚えておくのは、名前ではなく確かめる先のほうです。サービスの名称は VACATION STAY から Rakuten Oyado へ変わっており、運営者の表記と観光庁のリストに載る法人名も一致していません。ブランド名で照合する習慣をつけると、名称が変わったときに同じ調べものをやり直すことになります。見るのは、契約書面の法人名と、その法人の登録です。

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