事業者・業界のニュース/ニュース

那須の元ペンションが一棟貸しの宿に 温泉とBBQで増える手続き

ココザス株式会社の運営代行「& やど管理」が、栃木県那須町の一棟貸し宿「那須貸別荘 villa la・ha-yu」の運営を受託したと発表しました。天然温泉の大浴場と木炭BBQ、最大9名という作りが、どの手続きと結びつくのかを栃木県と観光庁の公表資料で確かめます。

ココザス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:安藤義人)は2026年10月14日、同社の宿泊施設運営代行サービス「& やど管理」が、栃木県那須郡那須町の一棟貸し宿「那須貸別荘 villa la・ha-yu」の運営代行を受託し、2026年10月1日から宿泊予約の受付とゲストの受け入れを開始したと発表しました。発表によると、この施設は標高約600mの那須高原に建つ元ペンションを一棟まるごと貸し切りにしたもので、24時間入れる貸切の天然温泉と木炭式のBBQグリルを備え、広さは約255㎡、定員は最大9名です。

運営を外へ出す発表そのものは珍しくありません。当サイトでも同社の群馬県での対応エリア拡大を扱いました。今回の発表で目を引くのは、受託した施設の作りです。大浴場の天然温泉、火を使うBBQ、9名が泊まれる寝具。宿として売りになる設備は、そのまま別の法令や手続きの対象になりえます。設備が1つ増えると、確かめる相手も1つ増えます。運営を任せる話に入る前に、その施設で何が要るのかが決まっていなければ、委託する範囲も書けません。

この記事では、発表に書かれている内容を表記のまま並べたうえで、栃木県が公表している温泉法関係の手続きと住宅宿泊事業の届出窓口、観光庁の民泊制度ポータルサイトが示す事業者の業務に照らし、同じように設備のある建物を宿へ回すときに先に確かめる相手を整理します。当サイトはこの施設に宿泊しておらず、設備や滞在の質、運営会社のサービスを評価するものではありません。発表に書かれていない項目は推測で埋めず、「記載がありません」と示します。なお発表には同社の自社ブランドに関する実績の記載がありますが、裏づけとなる公表値が同じ発表の中にないため、当サイトでは数値として扱いません。

発表の骨格:10月1日から受け入れを開始しています

発表が施設概要として挙げている項目を、記載のまま並べます。

項目 発表の記載
施設名 那須貸別荘 villa la・ha-yu
所在地 栃木県那須郡那須町高久乙3374-255
運営代行開始日 2026年10月1日
宿泊形態 一棟貸し(一日一組限定)
間取り 6LDK+大浴場
広さ 約255㎡
定員 最大9名
寝具 シングルベッド4台/布団5組
アクセス 東北自動車道「那須IC」より車で約15分/南ヶ丘牧場より車で約2分/「一軒茶屋」バス停より徒歩約30分
受託した会社 ココザス株式会社(サービス名「& やど管理」)

主な設備として、発表は貸切天然温泉(24時間利用可)、BBQグリル(木炭式、木炭はゲストが持参)、IHキッチン(家電・調理器具・食器一式、子ども用食器あり)、無料Wi-Fi、ボードゲームと子ども用おもちゃ、エアコンと暖房、無料駐車場(最大5台)を挙げています。予約の入口は複数で、公式予約サイトのほか、Airbnb、Booking.com、楽天トラベル、Trip.comのページが示されています。

一方で、この施設がどの制度のもとで営業しているのかは分かりません。旅館業の許可を受けた施設なのか、住宅宿泊事業の届出をした施設なのかについて、発表に記載がありません。発表のキーワード欄には民泊や貸別荘という語が並んでいますが、本文に営業の種別は書かれていません。制度が決まらないと、このあと見る義務の当てはめも確定しません。読む側としては、そこを空欄のまま置いて読み進めることになります。

ココザス株式会社のプレスリリース「【栃木・那須】24時間貸切の天然温泉×炭火BBQを楽しむ一棟宿「那須貸別荘 villa la・ha-yu」、2026年10月1日開業・予約受付開始 ― 宿泊施設運営代行「& やど管理」が運営を受託」のページのファーストビュー
引用キャプチャ この記事が扱っている発表そのもののページです。運営代行を受託して2026年10月1日から宿泊予約の受付とゲストの受け入れを開始したという説明と、元ペンションを一棟まるごと貸し切りにした施設であることが、同じページの冒頭に置かれています。 出典:【栃木・那須】24時間貸切の天然温泉×炭火BBQを楽しむ一棟宿「那須貸別荘 villa la・ha-yu」、2026年10月1日開業・予約受付開始 ― 宿泊施設運営代行「& やど管理」が運営を受託(ココザス株式会社 プレスリリース)(確認日 2026-10-16/表示のファーストビュー)

天然温泉の浴場は、宿の設備であると同時に別の手続きの系統を持ちます

栃木県は温泉法関係の諸手続きを公表しており、温泉を旅館、ホテル、公衆浴場、足湯等の浴用に供する場合は温泉利用許可申請が必要だと案内しています。あわせて温泉成分等掲示届(浴用)の様式が示され、手数料は35,000円、提出先は各地域の広域健康福祉センター又は保健所等とされています。

この施設の温泉がこの手続きの対象に当たるかどうかは、発表に記載がありません。当サイトも判断しません。元ペンションであれば以前の営業の際に手続きを経ている可能性もありますし、建物や事業者が替わったときの扱いも個別の事情によります。確かめる相手は所轄の窓口です。ここで押さえておきたいのは、宿泊の許可や届出とは別に、温泉という設備そのものに手続きの系統があるということです。宿泊の側だけを見ていると、浴場の側が抜け落ちます。

発表に書かれている3つの設備と、公表資料が示す手続きや義務を左右に対応させた3段の図。24時間入れる貸切の天然温泉には栃木県の温泉利用許可申請と温泉成分等掲示届、手数料35,000円、提出先は広域健康福祉センター又は保健所等が対応し、木炭式のBBQグリルには火災の防止のために配慮すべき事項の説明と非常用照明器具の設置・避難経路の表示が対応し、最大9名・シングルベッド4台と布団5組には居室の床面積が宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上であることと寝具を入れ替わるごとに洗濯したものと取り替えることが対応している。最下部に、発表に営業の種別の記載がないためどの義務が当てはまるかは決まらないことが置かれている
左は発表の記載、右は栃木県と観光庁の公表資料の記載です。対応させる整理は当サイトによるもので、この施設にどの手続きが必要かを示すものではありません。出典:温泉法関係の諸手続きについて(栃木県)/事業者の業務[1](観光庁 民泊制度ポータルサイト)(いずれも確認日 2026-10-16)

24時間いつでも入れる貸切という運用も、維持と点検の負担につながります。発表は実施予定の取り組みとして、清掃・設備点検体制と、近隣と共生するためのハウスルール運用を挙げています。ただし項目として挙がっているだけで、点検の頻度、担い手の内訳、委託の範囲は書かれていません。設備の売りを増やすほど、止まったときに困る箇所も増えます。

栃木県「温泉法関係の諸手続きについて」のページのファーストビュー
引用キャプチャ この記事が温泉の手続きの出典にしている栃木県の公式ページです。温泉を旅館、ホテル、公衆浴場、足湯等の浴用に供する場合の温泉利用許可申請と、温泉成分等掲示届の様式、手数料と提出先が同じページに並んでいます。 出典:温泉法関係の諸手続きについて(栃木県)(確認日 2026-10-16/表示のファーストビュー)

最大9名・寝具9セットという数字は、入れ替わりの作業量を決めます

発表は定員を最大9名、寝具をシングルベッド4台と布団5組としています。一日一組限定の一棟貸しで、間取りは6LDKと大浴場です。この数字を、観光庁が住宅宿泊事業者の業務として示している事項と並べます。

発表に書かれている数字 観光庁が事業者の業務として示している事項
定員は最大9名 居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上確保する
寝具はシングルベッド4台/布団5組 寝具は宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える
一日一組限定(一棟貸し) 定期的な清掃、換気その他の必要な措置を講じる
間取りは6LDK+大浴場 居室ごとの内寸面積は、発表に記載がありません

観光庁は宿泊者の衛生の確保として、居室の床面積を宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上確保すること、定期的な清掃と換気その他の必要な措置を講じること、寝具は宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替えることを挙げています。この施設が届出住宅であるかどうかは発表から読み取れませんが、数字の読み方として共通することがあります。定員は売上の上限であると同時に、作業量の上限でもあります。9名が泊まれる作りなら、組が入れ替わるごとに9名分の寝具が動きます。

広さの表示からも、1人当たりの面積は出せません。約255㎡は建物の広さで、居室ごとの内寸面積ではないためです。定員と延床面積が並んでいても、そこから居室の面積を割り出すことはできません。自分の物件で確かめるなら、居室ごとに測り直すことになります。

清掃の時間やリネンの必要枚数について、当サイトは目安の数字を書きません。全国の実態を集計した公的な資料を確認できていないからです。代わりに、作業量を決める要因から逆算します。寝具の点数、浴室と浴場の数、居室の数。民泊の清掃では頻度を入れ替わるごと・定期・起きたときの3つに分けて整理し、民泊のリネンでは交換の義務から必要枚数を逆算する手順をまとめています。

木炭を持ち込む作りは、火災の防止の説明と結びつきます

発表は屋外に木炭式のBBQグリルを用意しており、木炭はゲスト自身で用意すること、車で約10分の場所にホームセンターがあることを書いています。火を使う設備を、宿泊者が自分で扱う形です。

観光庁は、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明として、騒音の防止のために配慮すべき事項、ごみの処理に関し配慮すべき事項、火災の防止のために配慮すべき事項を挙げています。宿泊者の安全の確保としては、非常用照明器具の設置、避難経路の表示、火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を挙げ、外国人観光旅客である宿泊者に対しては、外国語を用いた設備の使用方法の案内、移動のための交通手段に関する情報提供、災害が発生した場合の通報連絡先に関する案内を挙げています。

説明すべき中身は、物件ごとに変わります。屋外で炭を使う施設と、室内のIHだけの施設では、火災の防止として伝えることが同じになりません。当サイトが案内文の文例を作らないのは、求められているのが届出住宅とその周辺の生活環境に応じた内容であり、汎用の文章ではその物件で成り立たないからです。説明が求められている層と、自分で決める層の分け方は民泊のハウスルールにまとめています。

那須町の物件は、営業の種別で相手と上限が変わります

観光庁は旅館業について、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業であるとし、営業種別を旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業の3つとしています。旅館・ホテル営業は簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの、簡易宿所営業は宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けるもの、下宿営業は1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けるものです。申請は、施設の所在する都道府県の保健所が受け付けると案内されています。

住宅宿泊事業については、旅館業法第3条の2第1項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて届出住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数が180日を超えないものとされています。届出先は都道府県知事等で、保健所設置市の長や特別区の長が事務を処理する場合があります。家主不在型では、住宅宿泊管理業者への委託が義務付けられています。

発表に営業の種別の記載がないことを起点に、宿泊の制度が2つに分かれることを示した分岐図。左の枝は旅館業法で、営業種別は旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業の3つであり、申請は施設の所在する都道府県の保健所が受け付けること。右の枝は住宅宿泊事業法で、人を宿泊させる日数が180日を超えないものであり、家主不在型では住宅宿泊管理業者への委託が義務付けられていること。下の帯に、那須町の届出窓口が県北健康福祉センター生活衛生課であり、届出は原則として観光庁所管のシステムにより行うこと、温泉を浴用に供する場合の手続きはどちらの種別でも別に確かめることが置かれている
観光庁と栃木県の公表資料に書かれている区分を並べた図です。この施設がどちらに当たるかは発表から読み取れないため、図は判定の結果ではなく確かめる先を示すものです。出典:旅館業法について(観光庁 民泊制度ポータルサイト)/住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?(観光庁 民泊制度ポータルサイト)/住宅宿泊事業法について(栃木県)(いずれも確認日 2026-10-16)

栃木県は、住宅宿泊事業の届出について、原則として観光庁所管のシステムにより所定の手続きを行い、システムが利用できない等の場合は書類による届出を受け付けると案内しています。窓口は届出住宅の所在地で分かれ、那須町は県北健康福祉センター生活衛生課(大田原市)の管轄、宇都宮市内の届出は県医薬・生活衛生課が窓口とされています。相談に行く先が建物の場所で決まる、ということです。

この分かれ目は、運営を任せるかどうかとは別の話です。制度が旅館業なら営業の許可が前提になり、泊められる日数に上限はありません。住宅宿泊事業なら届出で足りますが、日数の枠がかかり、不在にするなら委託の義務が生じます。どちらに当たるかで、受託する会社に頼める内容も変わります。適用の判定の仕方は民泊と旅館業法に、手続きの名前の違いは民泊の許可に、日数の数え方は民泊の180日にまとめています。

予約の入口が5つでも、施設の側でまとめる業務は増えません

発表は、公式予約サイト、Airbnb、Booking.com、楽天トラベル、Trip.comの予約先を並べています。入口を増やす設計で、受託した会社はOTA運用の最適化や価格戦略の設計、自社予約導線の整備を支援内容として挙げています。

ただし、入口がいくつになっても施設の側でまとめるものは1つです。観光庁は宿泊者名簿について、宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日を記載し、外国人の場合は国籍及び旅券番号を追加して、3年間保存することを事業者の業務として挙げています。名簿は予約の経路ごとではなく、施設ごとに1つです。経路が増えて困るのは掲載や料金の作業であり、記録の義務はそれとは別に残ります。委託できる範囲と、委託しても事業者の側に残るものの切り分けは民泊の運営代行に、家主不在型での委託義務の分かれ方は家主居住型と家主不在型に整理しました。

この発表に記載がないこと

同じように設備のある建物を宿へ回そうとしている人が知りたくなる項目のうち、この発表からは埋まらないものを並べます。

知りたくなる項目 この発表での扱い
営業の種別(旅館業の許可か住宅宿泊事業の届出か) 記載がありません
許可番号・届出番号 記載がありません
温泉の供給方式と、浴場に関する手続きの有無 記載がありません
委託の範囲と報酬の算定方法 支援内容の項目だけが挙げられています
受託した会社の住宅宿泊管理業者としての登録番号 記載がありません
宿泊料金 記載がありません
年間の営業予定日数 記載がありません
清掃と設備点検の頻度、担い手の分担 体制を推進すると書かれているだけです
元ペンションから一棟貸しへ転用した際の工事と費用 記載がありません
居室ごとの内寸面積 建物の広さ約255㎡だけが記載されています

埋まらない項目が多いのは、この発表が受託と予約開始を知らせるものであり、手続きや契約の条件を示す資料ではないためです。項目が空いていることは、手続きが済んでいないことを意味しません。公表の対象になっていない、ということです。

設備のある建物を任せるときに確かめる順番

この発表から持ち帰れるのは、確かめる順番です。

最初に、営業の種別を決めます。旅館業の許可で営むのか、住宅宿泊事業の届出で営むのか。ここが決まらないと、泊められる日数の枠も、委託の義務の有無も、窓口の相手も決まりません。運営代行の見積もりを先に取ると、前提が変わったときに条件ごと組み直すことになります。

次に、宿泊以外の設備を棚卸しします。温泉の浴場、火を使う設備、共用の大浴場。栃木県の例でいえば、温泉を浴用に供する場合の手続きは宿泊の手続きとは別の系統にあり、提出先も広域健康福祉センター又は保健所等とされています。設備の売りを数える作業と、設備ごとに手続きを数える作業は、同じ表の上で行うと抜けが減ります。相談先の切り分けは民泊の開業を相談する先に、法令が求める設備の層は民泊に必要な設備にまとめています。

最後に、入れ替わりの作業量を数字で押さえます。定員9名の施設なら、1組ごとに9名分の寝具が動きます。そのうえで、どこまでを委託し、どこから自分で持つのかを書き出します。委託する相手が決まっていても、事業者としての立場と記録の義務は手元に残ります。

この記事は、ココザス株式会社の発表と、栃木県および観光庁が公表している資料に書かれている範囲を整理したものです。特定の施設やサービスを評価、推奨するものではありません。制度の当てはめや、自分の物件で必要になる手続きの判断は、所轄の窓口に直接確認してください。

このメディアの運営元について

myHotelsメディアは、民泊予約システムを提供する myHotels が運営しています。 記事は自社サービスの利用を前提にせずに書いており、料金や条件は下のページで確認できます。

サービスの内容を見る オーナー登録に進む